#221 連絡帳
ゴールデンウィークが過ぎた頃、私は久しぶりにしょうへいの家に行った。6年生になったしょうへいは、下級生と集団で下校してきた。
家に帰ったしょうへいは、ランドセルを放り出し、着替えもせずにテレビを見ていた。
私は、しょうへいの連絡帳をみた。今日のことは、連絡帳には何も書いていなかった。「今日は、宿題がないの?」と、私が言うと、「算数のドリルだけやねん。」と、しょうへいは言った。「連絡帳には何も書いてないで。」と私が言うと、「うん」と答えた。「なんで、連絡帳に書かなかったん?面倒だったから?」というと、「うん。そやから暗記して帰った。」と、しょうへいは答えた。
小学校3年生の頃から、書くことへのつまずきがみられた(#61 パソコン)。鉛筆を握る指から手に力が入りすぎて、スムーズにえんぴつを使うことができなかった。私も、しょうへいが上手に書けるようにいろいろ試したが、うまくいかなかった。不揃いの字だが、学習に大きな影響がないので今まで様子を見ていた。ただ、「字が汚い」と批判はしなかった。
私は、「連絡帳は、大事なところだけ書くんやで。宿題のことを連絡帳に書かへんのなら、付箋を使うとか、しおりを挟むとか、工夫しいや。」と言った。
一般社会では、音声入力や映像による管理など、文字を書かなくてもいい社会に移行している。しょうへいも学校からパソコンを貸与されている。
もっと、書くことへの負担が減る、ICT(パソコン等を使った)教育が広がってほしい。
これからは、チャットGPTをはじめ人工知能(AI)と共生して、私には想像がつかない世界で、子供たちは生活していくのだろう。
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