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佐藤先生に教わったこと-#17

このnoteは、星功基が2003年〜2007年に慶應義塾大学佐藤雅彦研究室に在籍していたころに佐藤先生に教わったことを思い出しながら書いているものです。

【考察】背中をみる効用

佐藤先生に限らずですが、師匠となる人と一緒に仕事をする効用は、判断の場に立ち会えることだな、とピタゴラの現場で感じておりました。過去に話題にあげたYCAMもしかり。先生は、教室の外を飛び出した「プロジェクト」の現場では鬼と化します。今思えば仕事への向き合い方として至極当然ではあるのですが、大学生だった当時は本気で鬼に見えました。

装置がうまくいかない、もう当日なのにワークショップの集客がうまくいっていない、電源ケーブルが壊れた、データが消えた、などなど、あらゆるトラブルに、先生は鬼のように強かったです。

その現場に居合わせるわけです。ほぼ同じ条件下。違うのは人間の胆力とでもいうのか、人間力と、経験値。ことがおこった、どうするか。与えられた時間は一緒なわけですが、先生は見事に解決していきます。その背中を見ていると、おぼろげながら、どういう思考プロセスでそういう解決策を導いたのか、また現場ではどういう態度で、どういう姿勢で「居」ればいいのか。そういうことを都度都度感じていました。あれはすごかった。

また佐藤研ではよく3分企画という、A4の紙とペンそしてストップウォッチを用意し、たとえば「ピタゴラの新コーナー企画」や「複数カメラを使った展示」などテーマにそって、もしくはフリーで、3分の間に思いついた企画・アイディアを発表しなければならないという、修行が毎週くらいのペースで行われておりました。あの時間も、3分というある種フラットな条件下で佐藤先生も加わり対決みたいになるわけですが、うわあやられたと打ちのめされたことが何度あるか。テーマを決めて1週間後にじゃっではなく、同じ状況で、うーーーーんっとなっている時間を共有していることが、つまり先生の背中をみることがどんなに勉強になったか。
今になって強く思います。


<おまけ>
3分企画のやり方
・A4の紙、ペン、ストップウォッチを用意する
・司会役がストップウォッチで時間をはかる
・テーマをきめる
・テーマの状況がイメージできるものがあればそれを置く
(たとえばCMの企画であれば、簡易的に紙にディスプレイを描いたものを壁に貼る)
・3分で1回きるが、状況次第で2分延長はあり
・時計回りに発表(司会役が最初の人を指名)
・いいアイディアが出なくてもとにかく思いついたことをしゃべらなければならない

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