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身体を観察するのは脳を観察するのと同じ


身体に意識を向けると,身体がしっかりと感じられて,気持ちが穏やかになる部位があります.こういった部位を「身体のリソース」と呼びます.

例えば太ももや足の裏,背中など,地面や椅子に接触している部位は安定を感じやすい傾向にあります.

「身体のリソース」に意識を集中すると,対応する「脳の部位」を意識することになります.

身体で感じていることは,実際には脳で感じています.つまり,身体のある部位に意識を向けることは,その部位に対応する脳の活動に注意を向けているのと同じです.

脳が活性化された部位は血流量が増え,穏やかで,ほとんど活動していない部位はふつうの血流量になっています.「身体のリソース」は落ち着いた状態であり,ふつうの血流量です.

痛みや苦しさを感じていると,対応する脳の部位が活性化し,血流量が増えてしまいます.身体にある痛みや苦しさに注意を集中しすぎると,脳の状態も安定から遠ざかり穏やかではなくなってしまいます.

私は,マインドフルネスや瞑想など,自分の状態に注目する際に,身体の良くない部分に注目しがちでしたが,安定する部位に注目すると,脳が落ち着き,それにつられて他の部位も安定することがわかりました.

そのため,座っている時は安定を感じる足の裏や太ももに意識を向け,脳が穏やかな状態を感じられるようにしています.

安定を感じられる部位は,人によって異なります.胸や背中,お尻の場合もあると思います.身体の部位に注意を払うことは,対応する脳の部位に注意を向けることなので,精神病やトラウマ等に苦しむ人にとって,脳を調整するひとつのテクニックとして役立つと思います.



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