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苔技術研究所(苔技研)を設立します

苔テラリウムブランドとしての「苔むすび」を立ち上げて10年近くが経ちました(実はいつ立ち上げたの正確に覚えていないのですが。。)

始めた当時はまだ「苔テラリウム」の黎明期。ほとんどの方が「苔テラリウム」なんてものを知らない時代でしたが、時代は変わり、たくさんの方が認知する時代になりました。それに伴い、苔に対する世間のイメージも大きく変わった(間違いなく良くなった)ことを実感し、なんとなく感慨深い想いをもっています。

さて実は、苔むすびでは長く苔テラリウムを作ったり、教えたり、売ったりする傍ら、苔むすびというより私自身の個人的な活動として、屋外での栽培や施工、といったものにも地道に取り組んできました。実感として、苔にはまだまだ多くの可能性があると感じています。またそれと同時に、苔の栽培や流通、施工管理、といったものにさまざまな課題、問題があるようこともわかってきました。

それがなんなのか、多くはここでは割愛しますが、出回っている多くの苔がいまだに自然界から(場合によっては違法に)採取され流通されていること、生産者さんはいるものの実質的に増殖の形で行われているとは限らない、つまりあくまで自然界に負荷をかけて「生産」がされていること、規格がないため、流通する品質に大きなばらつきがあること、いいかげんな名称で流通していること、苔の施工法がほとんど知られていないこと、本当に挙げたらキリがありません。

近年、苔は世界的にトレンドになりつつあるようですが、苔文化の元祖とも言えるこの国でこの状態が続いてしまうことに非常に危機感を持っています。これは倫理的な問題というだけでなく、やはり生産から消費までの産業構造がしっかりしていなければ文化の発展というのはない、という思いが強いのです。

私自身はもともと技術系の出身ということもありますが、様々な問題を解決する根本は技術だと確信しています。技術の面からこの状況を変えていきたいという思いから、この度、「苔技術研究所」を設立することにいたしました。

正直なところ、私は実際にビジネススケールで生産を行なっているわけではありませんし、施工についても本格的に始めたのはここ数年のこと、というのは申し上げなければなりません。ただ逆に、生産者ではないというポジションであるが故にできることもあると考えています。一般的な農業をとっても生産をする人間と技術開発をする人間は別です。私は現在、自身で様々な試験をするとともに、日本各地さまざま巡って苔に関する技術を収集しています。幸いなことに、この活動に賛同してくださる、国内でトップクラスの技術を持つ方々のご指導・ご協力をいただきつつ、勉強させていただいています。最近ではこちらが各地の生産者さんに情報を提供する機会もだいぶ増えてきました。

苔テラリウムで時代が変わったように、苔技研の活動でどこか少しでも苔の時代がまた一歩進んでくれればと夢見ながら、活動を始めたいと思います。



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