その3 やせる目的のダイエットさえしなければ リバウンドしない
いわゆる肥満というわけではないが、他の子と比べるとポッチャリめな体型だったわたしは、そのことを少し気にしていた。そして、そういうことを気にする年頃になってきた頃でもあった。だから「やっぱり自分は太っているのか」と絶望的な気持ちになっていた。
その場で呆然と立ち尽くすしかなかった。男の子と男の子のお母さんは、いつの間にかいなくなっていた。
「体重もだいぶ重そうだから、、、」
という言葉が脳内に響き渡る。その言葉を最大限、悪い方に受け取った私は、ザックリと心臓を刺されたかのような痛みを感じていた。
(いま思えば、あの言葉を武器に変換して自分に突き刺したのは、わたし自身かもしれなかった)
そんな時、そばにいてくれたのが姉さんだった。
「いま、なにを感じている?」
え?えっと、、、。
(そっか、姉さんにも聞かれちゃってたか、、、。)
えっと、、、そうだな、、。
あんなこと言うなんて、なんて嫌な人なんだ
って、思ってる。
「そうか、嫌な人だなって思ったんだね。」
「他には?」
なんでわざと聞こえるように大きな声で悪口言うんだろうって、、、。
「うんうん、そっか」
「今思っていること、なんでも言っていいんだよ。私がそばにいるから。」
姉さんの問いかけに、ポツポツと答えていく内に、どんどんと心の奥底にある黒いものが溢れ出てきた。今まで見ないように、決して誰からも見えないように隠して蓋をしていた本当のきもち。
わたしが気にしていることを、大人が子供に対して言うだなんて、ひどい!! なにもわざと人を傷つけるような言葉を言わなくたっていいのに!!
という、怒りの感情が爆発した。
被害者はわたし
加害者は男の子のお母さん
こういう構図だ。
わたしが怒りの感情を噴き出しているときも、姉さんはそばにいてくれた。わたしの中に蓄積されてきた怒り数々は、痛みとともに外に吐き出されていった。
こらえていた涙をせきとめることができず、わたしは泣きじゃくりながら叫んでいた。
姉さんは、そんなわたしを、ただただ見守ってくれていた。
(つづく)
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