ダイエットの6つの罠【まとめ①~⑥】

「もうダイエットしなくていいよ」と自分に言ってあげられる人は「食べ方のセンス」を磨くことで、どれだけ人生の質が良くなるか知っています。

ですが、そうでないふつうの人は流行の食事法によって、本人も気がつかない内にダイエットの罠にハマっていることを知りません。

ここからは、ふつうの人の人生を蝕んでいるダイエットの6つの罠をみていきましょう。


  1. 「○○が、からだにいい」の罠

  2. 「健康という病」の罠

  3. 「ヘルシーっぽい」の罠

  4. 「たんぱく質ならいくら食べてもいい」の罠

  5. 「なんとなく主食抜いてる」の罠

  6. 「短期間で結果にコミット」の罠



1.「〇〇が、からだにいい」の罠

栄養カウンセリングにいらした50代女性の話です。テレビやインターネットの情報で、オリーブオイルやアマニ油がからだによい。朝に食べるチョコレートが、ココアがよい、ヨーグルトが骨粗しょう症予防によい、プロテインがよい、スムージーが良い、糖質制限しておかずを沢山食べるのがよい、などなど、様々な情報を仕入れて、それを一所懸命取り組んだとのこと。

結果、以前はふつう体重だったのに1年で3kg増えて肥満へ、さらには血液検査の数値も悪化してしまったのだそう。

これって、ざんねんだけど意味ないですよね。

ダイエットの情報がありすぎて混乱する。
最近はこのような声をよく聞きます。

専門家を名乗る人たちが、全く真逆のことを言う。だから混乱する。

健康情報を取り入れるあまり、情報デブになっただけでなく、実際にも肥満になってしまったという方が非常に多い。(その逆もまた然り)

だからこそ、多すぎる情報に惑わされることがないよう、「食べるセンス」を磨いておく必要があると思うのです。

全ての物質は毒であり、毒でないものはない。
用量が毒と薬を区分する。

パラケルスス


2.「健康という病」の罠

五木寛之さんの著書『健康という病』を見た瞬間、「たしかに、この病にかかっている人が多い気がする(わたしも含めて)」と思ったことを覚えています。

健康を過度に気遣うことは、深刻な病気である

健康という病 五木寛之

「健康になること」が目的となっていて、健康のその先にある「ありたい姿」や目標を見失っているのかもしれない。さらには「健康でなければならない」「不健康な生活を送ってはならない」など、ストレスを抱えているケースも多そうです。

わたしの場合だと、専門家なのだから「ちゃんとした食生活を送らなければならない」みたいな「圧」がかかっていて、ストレスを感じています。

あまりにも自分に課す制約が多くなってくると、日々の食事だけではなくて生活自体も楽しめなくなってしまう感じがするのです。

「健康のために、〇〇しなければ」ということに神経を使いすぎて、逆に心が不健康になっている。

健康やダイエットに執着するあまりに、
いつの間にか心を病んでしまうこと。

それは、本当に望んでいることなのでしょうか。

健康がストレスになる時代がきた
健康情報の氾濫は、かつてなかったほどの勢いで現在の私たちを押し流そうとしている。その中で、どこに自分の座標軸をおくべきだろうか。そこが問題だ。

健康という病 五木寛之


3.「ヘルシーっぽい」の罠

なんとなく「ヘルシーっぽい」という理由で食事を選んだことはありませんか?

一体、このヘルシーっぽさはどこからきているんでしょうね。謎すぎるけれど、なんかありますよね、この「ヘルシーっぽい感じ」がするものが、からだに良さそうなイメージ。

朝食にスムージーとか、
サラダプレートランチとか、
野菜たっぷり〇〇!とか、
なんとなく、ヘルシーっぽいイメージを持たれるものってありますよね。
人それぞれ、ヘルシーっぽいと感じる食事は違うかもしれません。

なんとなく「おしゃれでヘルシーっぽい」からと食事を選んでも「心とからだを養う」ための栄養素が揃わないケースが結構多い。

おしゃれっぽくて、ヘルシーっぽいが、からだに良いとは限らない

「ヘルシー」の定義って、いったい何!?



4.「なんとなく主食抜いてる」の罠



ついつい都合の良い解釈をしがちな私たち。

たとえば、
「夕食の主食を抜けば、おかず沢山食べて大丈夫」
「主食を抜けば、お酒を毎日飲んでも大丈夫」
「スイーツを沢山食べても、主食抜いてるから大丈夫」などなど。

いやいや、

ざんねんだけど、全く大丈夫じゃないってば…

ドキッとした方も多いのではないかと思います。

主食を抜くことがヘルシーだと考えているかたもいるかもしれませんね。
これも「ヘルシーっぽいの罠」ですね。

ただ単に主食を抜くことで減らすことができた(と勘違いしている)体重は、残念ながら定着しません。

リバウンドというおまけ付きで、望まない超絶なV字回復をしてしまう傾向にあるので要注意です。

5.「たんぱく質ならいくら食べてもいい」の罠

卵を1日に何個でも食べていい、というような情報もでましたが、万人に当てはまる訳ではないので要注意です。

体組成だけじゃなくて、血液検査もしっかり見て判断するのが必須となります。

何事も、ほどほどに。
よい塩梅で。
っていう言葉を大切にしたい所ですね。

その人にとっての最適な量は、異なる。
糖質、脂質、たんぱく質の3つが、
からだを動かすエネルギー源となる。

これまで、
脂質を減らす方法、
糖質を減らす方法、
という流行のダイエット法がありました。

ということは、
次は、たんぱく質を減らす方法がくるって?
それは、もはやバカバカしい話です。

このエネルギー源となる3つの栄養素の割合をどのように設定するか。糖質、脂質、たんぱく質の3つの割合を最適化する。

極端なダイエット法に走ることさえしなければ、
もうダイエットする必要はなくなる。


6.「短期間で結果にコミット」の罠



一朝一夕ではうまくいかない
短期的な目標よりも、生涯かけたゆるめの目標を

学生の頃、短期間で無理やり詰め込んだ記憶は、テスト終わった瞬間に忘れさってしまった経験を持っている方は多いのではないでしょうか。

それと同じように、短期間で急激に落とした体重はすぐに回復しがちです。元の体重ピッタリで収まればまだマシな方ですが、大抵の場合は元の体重を軽くオーバーしてしまいます。

ざんねん極まりないですけど、
それなら何もしない方がマシだったのでは。
辛口だけれど、事実です。

一夜漬けで乗り切るようなことでなく、
短期間だけがんばれば乗り越えられるようなものではない。



以上、ダイエットの6つの罠をざっとみてきましたが、どうでしたか?

ここまで読んできて「うわぁ、結構あるあるだわ」とか、「ちょっとグサッと突き刺さったわ」と思っていただけていたらうまくいっている証拠です。

自分がどれだけダイエットの罠にハマっているか自覚しなければ、そこを避けることもできないからです。

これまでご紹介した6つの罠(もっと沢山の罠がそこら中にありますが)には「幸せな小太り美人」は引っかかりません。

その分、自分の人生を豊かにするために時間を使うことができるようになります。

次の章では、「幸せな小太り美人」の生き方についてご紹介したいと思います。
(つづく)





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