
「怒り(いかり)」は期待、でも「怒る(おこる)」は甘え、時々諦め。
「怒り」はエネルギー
「怒り」は自分を突き動かす原動力。戦うには怒りが必要。
よくうちの監督が選手に伝える言葉の一つです。
ゲームで相手と対峙する際、「怒り」によって気持ちのスイッチが入り、普段より時間がゆっくり流れる感覚や痛みを感じないようになったりしますよね。
それらの感情を冷静に対処することがスポーツマンには求められているわけです。
そうしてコントロールできるようになった「怒り」の感情は人間的な成長に役立ったりするんだろうか。という仮説のもとで書きました。
今回の話はコーチとしてのコーチングの話をもとに、選手として、さらには人としての「立ち振る舞い」の話をしていきます。
お恥ずかしながら、頑固な自分の失敗経験から感じたことです。
反面教師じゃないですが、そうならないようにしよう。くらいの軽いスタンスで読んでいただきたい内容になっています。
スポーツ界、その中でもコーチングにおいて度々話が上がる「怒る」ことについて。
「怒り」という感情をみんな感じると仮定したら、周囲への伝わり方は、その感情をコントロールするかどうかにかかっていると思います。
縦軸を「怒りの感情の程度」どれくらい怒っているのか。
横軸はその怒りの感情を「コントロールするかしないか」。
このようなすごく大雑把な観点で指導行動について簡単にまとめました。以下説明をしていきます。
わざと怒る(イチロー流):左下
以前YouTubeでこのような動画を見ました。
「感情的にキレることはダメ、テクニカルにキレる。」
これはかなり難易度の高いことで、指導者の「圧倒的な信頼」がないと選手はその後聞く耳を持たなくなるでしょう。
自分が怒ったあと、怒られた選手がどんな心理状態になるのか、それによってチーム全体にどんな影響が出るのかを先回りして考えることは必要なんだと解釈しました。
肯定的フィードバックをする:右下
トレーニングやゲームでどこが良かったか、何が良かったかを選手に伝えることは簡単なことではありませんでした。
的確に良かったところを褒めるために、チームの方針や個人の課題を把握した上で、いくつもある場面の中からフォーカスしてみる必要があるんです。
頭が爆発しそうになるし、なんなら選手時代よりトレーニングやゲーム後の疲労を感じることもあります。慣れていかなきゃです。
怒る(甘え、諦め):左上
感情をコントロール出来ずに怒っても、選手との信頼関係が崩れないと思っている。それは選手に対する「甘え」です。
同時に、感情的になる以外コーチングの指導が出来ないと白旗を上げていることと同じ。つまり、「諦め」だと思っています。
これは何も指導者だけでなく、怒りを露わにしてしまった経験がある人ならわかっていただけると思います。
誰だって許せないことがあって、そこに抵触されると「怒り」が湧いてきます。
かつて練習中にボールを蹴った選手に膝蹴りを連発していた指導者のかたを見た事があります。気持ちはすごくわかるし、その方にとっては「ボールを蹴る」という行為そのものが競技を侮辱されたような気がしたのでしょう。
しかし、それは自分の価値観を他者に押し付ける「甘え」であって、本当だったら話すことを通じて「教育」をしていく事が理想なんだろうな。と思います。
僕も怒りをコントロール出来なかった経験があり、自分の考えが受け入れられなかったり、他人の考えを受け入れられないときは、白旗を振りながら甘えていました。
自立出来ていない証拠ですね、もっと大人にならなきゃいけません。
こんな大層なことを書き連ねていても、自分の中身が成長しないことにはなんの意味もないでしょう。
対話する(期待):右上
「怒り」を感じながらも感情をコントロールし、選手に対して建設的な話し合いをすることは、その選手に成長してくれる「期待」を込めることと同義なのではないでしょうか。
だからこそ、選手がどう感じながら行動しているのかを日頃から気にかける事が大事になってくるんだろうと思います。
どれだけ自分のことを考えてくれているのか、選手は敏感に感じ取ります。
湧き出る「怒り」を選手が成長させるエネルギーに変換して、そのエネルギーを使って選手と向き合っていく。
これが今後僕の目指すコーチングです。
今回の記事で言いたかったことは「怒り」は決してネガティブな感情ではなく、それをどのように処理し、コントロールし、周囲の人に伝えていくかが大切だということです。
皆さんはいかがお考えでしょうか。
今日はこれくらいで!
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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本日もお疲れ様でした!
筑波大男子ハンドボール部 森永 浩壽
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