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健康と美容と都市伝説        たとえばデトックスのこと

飲むだけで痩せる、着るだけで筋肉がつく。冷静になってよく考えれば“そんなわけ無いだろ”ってわかるんですけどね。きれいになりたいとか、ダイエットのこと、カッコいいカラダでアピールしたいっていう気持ちに、男女の違いはないから。切実だったりするんですよね、みんなみんな。
こういう○○だけで痩せた、きれいになった伝説どう思います。

〇〇でデトックスはほとんどが無意味です。

カラダにたまった毒素をだして健康になる。そう聞くとカラダばかりか心まで浄化される気がして魅力的ですよね。健康意識の高い人ほど、デトックスにハマるケースが多いようです。でも、その多くはまやかしのデトックスなのです。

デトックスは治療方法のこと

デトックスは、detoxification(解毒、げどく)を略した言葉。生物の体内にたまった有害な毒物を排出させることを意味しています。
それでここでいう有害な物質っていうのは、う〜んそうですね。
あれです。ボクたちが知っているイメージだと、ドラマなどで薬物中毒やアルコール依存症の患者が禁断症状と戦い打ち勝つ。あの臨床治療が本来のデトックスです。

ではよく聞くデトックスってなに?

でもふつうにイメージするデトックスって違いますよね。なんといったらいいんでしょう。そうですね流れとしては次のような感じです。
1.現代の人間は毎日の食事や汚染された都市の空気など、いつのまにか有毒な物質(毒素)を体にためこんでしまっている。
2.これはとても良くないことだから有害物質や毒素を解毒・排出し、カラダが本来持つ力を取り戻し、健康な体や美しい肌を取り戻す必要がある。


こんな理屈です。悪いのはあなたじゃなく、あなたを取り巻く環境。だから周りに毒されることなく本当の自分を取り戻してね。そのためにデトックスしましょう。
とても魅力的なメッセージです。現状の自分に満足できていない(実はほとんどの人がそうなのですが)人に、本当のあなたはもっと素敵な人、その可能性から目をそむけるなんてもったいない。そういってるようにも感じられます。

ふつうに健康な人なら毒素は自然に排出される

イェール大学医学部の臨床神経科医スティーヴン・ノヴェラ氏は、ネットや広告でよく見られるデトックスは偽物であり、幻想だとしています。
なによりも、カラダにそなわったデトックス機能以外には、正当と認められるデトックスは存在しないというのです。
では正当なデトックス機能とはなんでしょう。ノヴェラ氏はこうもいっています。「人間の肝臓と腎臓は、健康であれば問題なく毒素を排出します。そのための臓器なのですから」
完全否定ですね。ノヴェラ氏だけでなく多くの科学者がネットなどに氾濫するデトックス情報に根拠が認められない、現実的ではないと否定的な姿勢をとっています。

いろんなデトックスがあるけど

断食(ファスティング)、イオンフットバス、酵素、デトックスウォーター、コーヒー浣腸などというものまで。いろいろなデトックスが流行りましたよね。樹液シートというのもありました。あれもデトックスビジネスのひとつでしょう。
肝臓や腎臓といった臓器以外のものがカラダにいいものと悪いものを分別して毒素をより多く排出するなんてできるはずがありません。

例えば汗をかくことで毒素が排出されるというのは一種の都市伝説。汗は体温を下げるためであって、老廃物や有毒物質を排出するためではありません。
汗の成分には様々な有毒物質も含まれていますが、その大部分は水とミネラル。学術誌「Environment International」に掲載された研究報告によれば、有害物質の量はごく微量であってもなくても変わらない程度なのだそうです。

デトックス効果は?だけど健康にいいものもある

世の中にでまわっているデトックス健康法に科学的な根拠はありません。でもデトックス効果ではなく、別のメリットなら認められるものもあります。
適切な指導を受けて行う断食にはダイエットや血糖値のコントロールなどに効果があるでしょう。


サウナやホットヨガなども新陳代謝に好影響を与えたり、精神をリラックスさせる効果もあります。ただ、しつこいようですがこれらの健康法にデトックスを期待することだけはできないのです。

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