Zの意味 「この名作からあなたは何を思うのか」
こんにちは。エイプリルフールです。
映画は映画館で観たいコウニです。が、2年前から行けてないです。
さて、ひさびさに映画をご紹介します。ただ、今回紹介する映画は、右や左に寄りすぎた思想を持った方や、ワイドショー番組が大好きな情報通で通っている方には不快になるかもしれません。
この記事は個人的な名作映画情報ですが、そのような方はきっとニュートラルに受け止められず、感情的になりかねないかもしれませんので、ご興味があったとしてもここから以下はお読みにならないことをお勧めします。
前書き
私は、以前も記したことがあるかもしれませんが、映画はただのエンタメではなく、未来を予見したようなストーリー(あるいは戒めたストーリー)が描かれていて、メッセージ性を持ったものであると思っています。従って、映画作品は、エンターテインメント作品であっても、何らかの意図や意味があって公開されています。
これは、作り手やアーティストの視点で考えれば至極当然なことです。
哲学的に掘り下げればこの一言では足りませんが、生み出して発信するものに何かしらの“想いを乗せる”気持ちは、SNSを使いこなす“Z世代”の方も少なからず体感しているものと思います。
今回は、この前書きを理解できている方のみにご覧いただきたい映画です。
さて、「Z」に関わる名作映画の紹介です。簡単なあらすじと紹介程度にとどめておきます。なぜなら、このたびウクライナで起きている戦争あるいは軍事作戦にリンクしているとも捉えられるからです。詳しい内容に関しましては、ご自身でお調べになってからご覧いただいた方が良いと思うからです。
ご存知の通り、現在毎日のように報道されているその様子はひどい有様で、戦後生まれの私たち世代の日本人には理解しにくい光景です。そんな中、ロシア軍または親ロ派市民たちは「Z」の記号を用いている報道を目にします。
はて?なぜ「Z」を使っているのか?
私のそのクエスチョンに対して、腑に落ちる答えを出された専門家や解説者の方にいまだにお目にかかれません。多少は考察はされるものの、戦況ばかりの報道が先行していて「Z」は謎のままです。
例えば、筑波大学の中村逸郎教授は以下のように説明しています。
「Zっていうのは非常に縁起の良い言葉」
その他にも、「Z」は「Za pobedy」(勝利)であるとか、「Zapad」(西)であるとか様々な憶測がされています。
まあ、ウクライナ指示であるG7加盟国である我が国にとってはどうでも良いことなのかもしれませんが、対戦相手が何を考えているのか分からなければ優位な交渉などはほど遠く「正確な報道と解説すらできないのでは?」と、若輩者ながら思ってしまいます…。
世の中にある記号は必ず意味を持っていると思います。多言語の言葉では伝わりにくいことを視覚統一的に具現化しているのが象形だからです。ましてや戦旗として使用するのであれば、なおさら深い意味を持っているはずです。
この「Z」にどんな意味があるのかは、それに想いを乗せて使い始めたインフルエンサーと、それを現場で使っている人にしか真意が分からないでしょうが、もしかしたら、その思想となるヒントは映画から見出せるのかもしれません。
と、いうことで、今回はタイトルに「Z」を用いた映画をご紹介します。
フランスの50年前の名作映画を1本と、エンタメ的にみられる30年前の香港映画1本、同じくエンタメの極みである10年前の日本アニメ1本、合計3本です。本編がAmazonプライムビデオにあるものは末尾でリンクを紹介しています。よかったらクリックしてご覧になってみてください。
また、今一度書きますが、これはあくまでも名作映画の情報です。思想が偏っている方はこの記事を読まずにスルーしてくださいね。
Z
1969年フランス映画。非常にシンプルに「Z」のタイトルです。アカデミー賞の最優秀作品賞と最優秀外国語映画賞をW受賞など、様々な映画祭の賞を多数獲得した、昔からの映画ファン達には言わずと知れた名作です。ギリシャであった、右派軍事政権の陰謀の実話を元にした政治スリラー作品です。簡単な序盤のあらすじはこんな感じ。
舞台は、地中海に面した軍事政権下にある架空都市。
政府に弾圧を受ける野党民主主義リーダー「Z」が
集会中に何者かに襲われた。
Zは重傷を負い、妻の看護虚しく命を落とす。Zの死を知った支持者たちは暴徒化するが、政府当局はあくまでも自動車事故による脳出血と発表する。しかし、裁判の証言や遺体には殴られた痕があるなどから不可解な点が多かった。
これを疑問に思った判事は、新聞記者の協力を得ながら調査を進めていくと、政治的な計画殺人だったことに気づき始める。関係者を告訴しようとするが、証人たちは次々に姿を消していくのだった。そして、政権による軍国化と思想統制はますますエスカレートし、市民は自由を失っていく…。
判事は、この陰謀にどう立ち向かうのか…。
この映画は1963年にギリシャで本当に起きた、自由と平和主義者グリゴリス・ランブラキス暗殺事件をモロに反映しています。この事件については情報は少ないものの調べれば、その事件がどんなものであったのか、結末はどうなったのか映画の内容までだいたい分かります。
このランブラキスの死後、その意思を継ぐ若者たちの手によって、ギリシャの街中至る所には「Z」の文字が書かれたらしいです。「Z」とは、古代ギリシャ語の"ZEI"で「彼はまだ生きている」を意味するらしく、それによって、国内世論が一気に高まって事件の真相が明らかになっていったそうです。そして、首相が解任され、新しく中道連立内閣が発足したというのが史実のようです。
「Z」は政治的抗議の象徴的スローガンでもあり、特別な意味と力を持つ記号なのですね。
「Z」とは、古代ギリシャに由来するもので、私を含めた99%の日本人は意味を知りません。ただ、この事件と映画によって、人々を奮い立たせる特別な意味があることが分かります。ロシア正教会は元々、ギリシャ正教会なので、もしかしたらロシア軍の「Z」もこの映画の「Z」も同じ意味を持っているのかもしれません。
Amazonプライムビデオで探しましたが、どうも配信終了になってしまっているようです。このタイミングで?と思ってしまいますが、それにあわせたようにAmazonで販売されているDVDが高騰しています。オリジナルは4000円程度だったはずですが…(汗)お金にゆとりがある方は買ってご覧ください。
また、フランス語が分かる方か英字幕が読める方は、以下のリンクから本編が見られるようですよ。ただ、いつまで見られるのかどうか不明です…。
ちょっと重たい内容でしたので、次は、楽しく見られるエンタメ作品もご紹介していきます。
サイクロンZ
1988年香港の作品。私と同世代かひとつ上の世代は、このトリオが大好物でしょう!ジャッキー、サモハン、ユンピョウが出演するゴールデントリオのアクションコメディー映画です。
舞台は香港。ジャッキーが弁護士になると…やっぱこうだよね(笑)
大ヒット香港映画「プロジェクトA」「スパルタンX」に続く
ラテン文字シリーズの最終傑作。
金と女たらしの弁護士ジャッキーは、水質汚染で訴えられた悪徳化学工場から弁護を依頼される。しかし、原告側の証人メイリンに一目惚れしてしまう。そこで、恋と仕事の両方を成就させる極秘ミッションを開始。ところが、友人の武器商人ウォンと私立探偵トンのケンカに巻き込まれたり、工場に恨みを持つ連中から襲撃を受けたりで踏んだり蹴ったり…。そんな中、ウォンが工場で秘かに麻薬を精製している事実を突き止める。ついに本性を現した悪徳工場。正義に目覚めて弁護を放棄し、ジャッキーは悪に立ち向かうことを決意して麻薬組織との壮絶な戦いへ…。
これぞエンタメ!この年代の香港映画は個人的に大好きな作品です。特に、監督・出演でサモ・ハン・キンポー、主演がジャッキー・チェン、準主演にユン・ピョウの作品はたまりません。アクションはもちろんですが、ラブコメタッチが笑えて爽快感があります。香港アクション映画の黄金期や、香港にいた頃のジャッキー・チェンを知らない世代にも、ぜひ観てもらいたい作品です。
そして、ラテン文字シリーズではラスボスあたりでいつも強敵の白人が登場します。
これは香港の歴史を物語ものであると思いますが、本作品もお強いです。先に紹介した「Z」とは、ジャンルやテイストが全く異なるものの、正義は勝つ的な戦いと法廷を絡めた流れは少し似ています。この作品のタイトルについている「Z」も何らかの意味を持っていそうですね。
全編こちらのAmazonプライムビデオで観られます。DVDのリンクも貼っておきます。
最後は、やっぱり日本エンタメの定番!アニメ映画で締めましょう!
ONE PIECE FILM Z ワンピース フィルム ゼット
2012年我ら日本の作品です。「なんだ、ワンピースかよ!」と、思ってしまった名作映画好きのあなたにこそオススメの作品です。実は、ワンピースってただのエンタメ少年漫画でなく、奥が深いストーリーとキャラクター設定になっているのですから。今世紀のジャパニメーションと言えば、このアニメで間違いないです。
舞台は“偉大なる航路”後半の海・新世界「ファウス島」
世界の秩序と平和を守る海軍基地に、NEO海軍と名乗る組織が襲撃する。
そのリーダーは元・海軍大将ゼットだった。
海賊を心から憎んでいるゼットがエネルギーダイナ岩の奪取に成功した時、“全海賊抹殺”という壮大な計画が動きはじめる。
一方、差別を受けている魚人たちが住む魚人島を出発し、新世界を快調に突き進む麦わらの一味の前に現れたのがゼットだった。ルフィたちは傷だらけのゼットを介抱するが、海賊と知るや否や襲い掛かり、敵の悪魔の実の能力に仲間たちが侵されてしまう。
そんな中、NEO海軍討伐に動き出した海軍元帥サカズキ率いる“正義”の海軍本部。さらに、そのサカズキとの元帥ポジション争いに負けて海軍を離れた元・海軍大将青キジことクザンが現れる。ひそかに麦わらの一味の動向を探っていたのだった。彼は、ゼットの弟子だったという。そして、“全海賊抹殺”をもくろむゼットの計画を麦わらの一味に語り出す…。ルフィは自由の海のために、ゼットとの壮絶な戦いに挑んでいく。
この作品を総合プロデュースしたのは、ワンピース原作者でもある尾田栄一郎氏です。したがって、ワンピースの世界観はいっさい変わらないまま映画化されていると思われます。実力ある俳優陣を声優に、カナダの人気歌手アヴリル・ラヴィーンの楽曲を迎えて、2000年以降の東映映画作品で最高の興行収入を記録しました。
もちろん、ワンピースのストーリーや世界観はワンピースを最初から見ていない方には、理解しにくいところは多々ありますが、色んな意味でよくできている映画だと思います。
エンタメとしてご覧いただいているお子様の夢を壊したくはないので、具体的に書きませんが、このあらすじを読んだだけでも何かと似ていませんか?エネルギーダイナ岩の奪取?…NEOなんちゃら?…ゼット?…自由?
実はワンピースは、”世界の歴史と勢力”(思想・主義・宗教・人種・政治・経済 など)に関心を持って調べている人ほど、
「あれ?ワンピースって”シン・聖書”なの?」と、思っちゃうぐらい
良く出来た設定が作中に散りばめられているのです。
多分、ご覧になってみて、今は気づかなくとも先に述べたことに興味・関心が出てきたら何となく分かってくると思います。さらに、この映画の公開は2012年12月21日の直前。都市伝説好きの方に好まれがちですが、偶然にしては出来すぎたことがよく起こる漫画です。まるで、主人公ルフィは誰かに生かされているかのようです。
この FILM Z の「Z」にも意味が込められていそうですよ!Z世代の方は、ぜひ観ておいてほしいアニメ映画ですし、ワンピースを読んでいて漫画の中の色んな勢力が、どんな思想でどんな動きをするのかエンタメ的に知っていても損はしないと思います。
全編こちらのAmazonプライムビデオで観られます。DVDのリンクも貼っておきます。
今回はちょっとした私の疑問から、とてもニッチなテーマで名作映画を紹介させていただきました。この記事がご参考になったという方は「スキ」をポチッとお願いします。また、映画をご覧になったらコメントいただけると嬉しいです。
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました!!
コウニでした!!
素敵な映画のような夢と良い週末を〜!!
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