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さよならの速度

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2016年1月の記事一覧

4

働きに出る朝を
見送ろうとして
いつまでも
見送れないひかり

幼いひかりのために
覚えたばかりの呪文を心で唱える

でたらめな言葉が
街中で輝く朝

3

樹齢が重ねられていく木立の年輪に
外の世界の秘密を告げようとしてる
まだここにあるひかり

いつの日か共に燃え尽きるのだと
生まれたばかりの木立の芽に
近寄るひかり

泣きながら開く コブシの花
#詩 #現代詩

2

銀色になる前の星
風の音が聞こえる
病室のベッドの上からは見える星
みんなが眠った時の
瞬きが起こした風が聞こえる

倒れてしまった草の先が
地面に触れすぎて枯れている

1

詩を書こうとしてそのまま
眠っていた事がある
起きた時
いつの間にか指からペンが
離れていた
夢の中に持ち込めないペン
そこは何も書けない場所
深く沈んだ記憶とまだ記憶になる
途中の記憶が
入り混じる場所

吸い込まれるように
落ちていった浅い夢に

小さな
スコップの様な心を
持っていった