このボカァ、ひどい目に遭いましたよ
「角田さん、またボクの飲み物を飲んだでしょ?」
角田さんはボクの同僚ですが、よく無断でボクの飲み物を飲むんです。今日はボクが買っておいた缶コーヒーと紅茶の2本とも飲まれていました。おそらくボクが席をはずした時に、こっそり飲んだのでしょう。
「えっ?」
隣の席の角田さんは、仕事中にもかかわらず、漫画本を読んでいました。ボクが声をかけると、ゆっくりと顔を上げ首をぼきりと鳴らしました。
「私がなにかしたかね?」
ガラガラと音を立てて車つきの椅子を引きずりながら、ボクの席へ移動