最新宇宙望遠鏡が地球に似た「系外惑星」を発見
2022年夏から最新画像を地球に送り届けているジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)。その目的はざっくり下記2つの探査でした。
1.ファーストスター
2・系外惑星
1については、2022年秋にその痕跡が発見されてニュースになりました。
そして今回は2の話です。
系外とは太陽系の外という意味です。系外惑星確認のニュースが飛び込んできました。(タイトル画像はNASAサイトより引用)
今回確認した惑星は下記の特徴を備えています。
・地球と同じ岩石質
・CO2とその他わずかな大気がある可能性が高い
・地球より数百度高い
・直径は地球とほぼ同じ
・名称は「LHS475b」
・約41光年先にある恒星(赤色矮星)の周りを、約2日で周回
念のため、どうやって見つけたのかも添えておくと、昔からある「トランジット法」です。実は直接その惑星を撮像しているわけではありません。
実は系外惑星の撮像自体は、2022年9月に発表されています。
ですので、「初」だけだとちょっと誤解を生みそうで、おそらくは(明示的に言及されてないのが厄介ですが・・・)「地球に近い」系外惑星を初めて確認した、という意味合いなのかなと推測します。
上記で撮像された惑星は、大体木星(これも太陽系内でダントツにでかいです)の質量の6倍ぐらいとのこと。
今回確認した手法は、ざっくりいうと、あるターゲット恒星の明るさの変化で、その惑星が遮った影から推測します。今回の結果も公開されています。
今回の惑星ですが、偶発的に発見したものでなく、過去に同じトランジット法であたりをつけていました。
系外惑星の発見に特化した衛星でTESSと呼ばれます。既にメインミッションは完了しています。(まだ何か作業は行っているようですが)
こちらのサイトによると、既にTESSは3千個以上の系外惑星を発見しており、JWSTの発見ラッシュはまだ続きそうです。
ちなみに、大気や水があれば居住可能性がある「ハビタブルゾーン」にくくられるわけですが、その候補であった1つでも最近新しい研究発表が公開されています。
上記をみると、「おぉー似てる」、とざわざわするのではないでしょうか?
トラピストは、2017年に約40光年離れた場所で見つかりました。
NASAが珍しく、これからすごい発表をするよ、という事前告知をしたことでも当時話題を呼びました。
今回の新しい研究では、この系外惑星を束ねる恒星トラピスト1(太陽系での太陽相当)からのフレア現象で、惑星の内部加熱に影響をあたえ、ひいてはその居住可能性にも影響を与える、という内容です。
従来は内部はその惑星内での地質学的な現象で分析されていたのが、外からの影響もあった、ということは翻って地球の研究にも影響を与えることを示唆しています。
まだこれから詳しいことが分かっていくのだと思いますが、地球の外の研究が地球の内にフィードバックされるのは、宇宙探査の意義の1つとも言えます。
地球外生命体の探索もよくよく見ると我々の研究にもなってくるかもしれませんね。
いずれにしても、今後のハビタブルゾーンに影響を与えそうなこの2つのニュースは続報に期待したいところです。