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「コナン」が有人宇宙開発の難題を解く

「コナン」と聞いて日本人が連想するのは、人気漫画「名探偵コナン」かその由来である推理作家「コナン・ドイル」だと思います。

今、生命科学の世界で、とある細菌にこの名前が付けられて話題になっています。

ようは、
高放射能環境に耐えうるコナンと名付けた細菌の秘密を解明した、
というはなしです。

情報量が多すぎますね。

まず先に、冒頭で振りまいた「コナン」ネタを回収しておきます。

「コナン」の由来は、1930年代にアメリカで流行ったファンタジー作品のヒーロー(アトランティス大陸の末裔)名からです。映画化もされ、若きアーノルド・シュワルツェネッガーが演じています。

そのヒーローの逞しさを象徴するある細菌が今回の主役です。

この細菌の学術名は「デイノコッカス・ラジオデュランス」といいます。

「放射能を浴びる奇妙な果実」という意味で、その名の通り大量の放射能を浴びても生存し続けられます。具体的には、人間の致死量となる被ばく量の2.8万倍まで耐えることが出来ます。

そもそもですが、我々含む生物はなぜ大量の放射能を浴びると良くないのか?

1つのケースは、(人体の大半を占める)水分子を分解し、酸化を促す活性酸素を発生させることです。細胞を死に導く老化プロセスの1つもこの活性酸素にあると考えられています。

では名細菌コナンはこの生命の危機にどう立ち向かっているのか?

最近の研究発表(こちら)によれば、コナンが代謝で生成した物質とマンガンが反応することで、抗酸化作用を持つ物質を生成していることが分かりました。

次に、検証するために、この物質を人工的に生成しMDPと名付けました。そしてこのMDPに放射線を浴びせる実験をおこなったところ、MDP量と防護量とで正の相関関係を見出しました。あくまで相関ですが、おそらくは因果関係がありそうです。

今回開発されたMDPは、新素材として様々な産業への応用が期待されています。私が真っ先に思いつくのが宇宙服(または宇宙船)です。

今でも我々人類が地球を出て長期間生存するには、大気(特に酸素)の存在だけでなく宇宙線(これも放射能)から身を守る必要があります。単に守るだけでは今の技術では重く・厚くなり、活動に適さなくなってしまいます。
それが今回のMDPを使った宇宙服の開発でブレークスルーがおこるかもしれません。

ということで、
名細菌コナンがまさかの宇宙開発における難題を解くかも、
という日本にしか通じないネタの提供でした。お粗末☺

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