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連続科学起業家シュレディンガー

今年のノーベル賞自然科学分野が出そろいました。

一見バラバラな分野(当たり前ですが)ですが、この3つすべてのパイオニアがいることに気づきました。

それがタイトルにある「シュレディンガー」という方です。

おそらく「シュレディンガーの猫」で聞いたことがあるのではないでしょうか?本旨とずれるので気になる方は過去投稿をご覧ください。

なぜ、今回のノーベル賞すべてのパイオニアなのか、について簡単に触れてみます。

まず、分かり易いところから、化学賞のタイトルにある「量子ドット」。
上記過去投稿のリンクにもありますが、「量子力学」を応用したナノマテリアル(ミクロな素材)です。
その「量子力学」の創世期で貢献した主役の1人です。

次に、「アト秒」は一見分かりにくいですが、これもアト(10の-18乗)秒計測においてシュレディンガー方程式(別名波動方程式。名前の通り彼が考案しました)に時間概念を取り入れた理論を導入しており、その意味で元祖となります。

一応公式ノーベル賞サイトの説明文を引用しておきます。

In a paper published in 1991, Anne L’Huillier, Kenneth Schafer and Kenneth Kulander [8] presented results from a numerical solution of the time-dependent Schrödinger equation (TDSE), and they provided a clear understanding of the HHG process.
(1991年に発表された論文で、Anne L'Huillier、Kenneth Schafer、Kenneth Kulander [8]は、時間依存シュレーディンガー方程式(TDSE)の数値解法から得られた結果を発表し、HHGプロセスについて明確な理解を示した。)

https://www.nobelprize.org/uploads/2023/10/advanced-physicsprize2023-2.pdf

最後の「mRNAワクチン開発」は一番距離が遠いように見えます。

実は、シュレディンガーはいろんな意味でトリッキー(?)な人生を送っており、量子力学含めた物理学からなんと「生物学」に転向します。

そして物理学の手法で従来の「博物学的(もしくは分類的な)」生物学の根底にある「生命」を科学的に探究しようとします。

この内容について興味ある方は、今でも名著といえる下記の書籍をポチって見てください。探究方法がさながらミステリー本を読む感覚です。

シュレディンガー自身も1933年にノーベル物理学賞を受賞しており、世界レベルで知名度が高く、もっといえば人気者でした。
そして彼を慕う物理学の専門家たちも影響をうけて「生物学」に転向しました。

その愛弟子筋ともいえる面々の1人フランシス・クリックが、共同研究者と一緒に「DNAの二重らせん」を発見し、その後今回のmRNAワクチン原理の参照元にあたる「セントラルドグマ」も発見します。

セントラルドグマの説明については、過去投稿の引用にとどめておきます。

ということで、やや最後だけこじつけっぽく聞こえたかもしれませんが、いずれもシュレディンガーがパイオニアだ、という主張に少しでも同調いただければ嬉しいです☺

最後にシュレディンガーの晩年について。

実は、生物学の研究の末に、(外からみれば)また別の分野を開拓します。

なんと「神経(脳)科学」です。

次回は、彼が追い求めたことについて触れてみたいと思います。

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