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サケの超能力:数万kmをも旅するナビの仕組みが明らかに

やっと猛暑が終わって秋を迎えました(今年は特に長かった。。。)

秋といえば食欲の秋でサンマを思い浮かべる人は多いかもしれません。

ただ、調査によれば意外にランキング3位にも入っておらず、最もよく食べる魚は「サケ」だそうです。

そんな日本人が大好きなサケについて、NHKの科学番組「FRONTIERS」が特集していました。

サケはよく知られているように、生まれ故郷の川を出て数万kmという超長距離を旅します。そして産卵期になるとわざわざ生まれ故郷に戻って余生を過ごす、というなんとも人間臭い習性を備えています。

その旅路のルートは今まで謎だったのですが、サケの頭にある「耳石(じせき)」の研究で可能になったというのがメインストーリーです。

この耳石という骨は、そもそも平衡感覚の感知に重要な役割を持っています。木に例えると「年輪」のように、年月に応じて独特の模様を形成します。興味深いのが、飼育しているときの水温を変えるだけでその模様が変わることに気づいたそうです。

ということは、生息地域ごとの耳石に刻まれた標識を覚えておけば、サケの移動パターンが後でも追跡出来るということです。

以前に、動物の個体保全のためセンサーを埋め込んだ話をしましたが、まさに天然のセンサーです。

ということで耳石の解析からサケの長〰い旅路が見えてきたわけですが、これ以上は番組の視聴をお勧めします☺

ただ、まだ厳密には解明されていないのが、長い旅を迷子にならずにたどり着ける能力です。これにはいくつか仮説があるので紹介します。

ちなみにルートは今回の耳石調査でも正確に把握していますが、毎回迷子にならずに往復します。

サケの街 村上市観光協会公式HPより

まず、人間であれば・・・Google Mapですね。それまではコンパス、つまり地球の磁気情報をもとに方角を把握しつつ旅してきました。

実はサケも磁気をもとに方角を理解していることが分かっています。つまり、体内に地磁気センサーを備えているわけです。

先達の研究で、同じく数万km迷子にならずに飛行する「渡り鳥」に地磁気センサーが備わっていることはわかっています。そしてサケも同じような機構なのではないか?と考えられています。このあたりの仕組みは結構奥深いのでまたどこかで改めて。

そしてもう1つの有力候補が「匂い」です。どうもサケは生まれ故郷の河川の「匂い」を覚えているのではないか?という仮説です。

下記によると、サケは匂いを感じる細胞が人間の4倍以上も存在しているそうです。(感度は100万倍高いとも!)

下記のサイトでサケの嗅覚の仕組みについて細かく説明されているので、詳細を知りたい方にはお勧めです。

ということで、日本の秋にとって身近なサケですが、実は我々よりもはるかにすごい超能力を備えているという話でした。

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