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《第10回SCCしずおかコピー大賞 独りごと反省会。》 vol.43
課題5:
気軽に、楽しく、カウンセリングを受けたくなるコピー
・軽い気持ちで。軽い気持ちに。
コトバには、物理的な重さはない。だが、音として、文字として、人から人に投げかけられたコトバには、脳ではなく心で感じとれる重さがあると思う。それも、投げかける人と受け取る人が、必ずしも同じ重さを感じることは少なく、受け取る人が違えば、これもまた重さに違いが生じる。
コトバが面白いのか、人間が面白いのか?! もしかしたら、この二つが揃うからこそ面白いのかもしれない。
このコピーは軽い。
一つには、よい意味で軽い。
カウンセリングを受診させるためのハードルを下げる。そのためには、投げかけるコトバが重かったら、きっと受診する気持ちを阻害させるだろう。ネガティブが気持ちのとき、何をやっても嫌になる。そういう経験は、誰にでもあるだろう。そんな時、「高額な受診料がかかります」とか「受診の前に1時間くらいのアンケートをお願いします」とか言われたら……。面倒くさくて、もっと気が重くなる。(苦笑
こういう気持ちの変化を捉えている、敢えての軽いコピーだ。
もう一つは、別の意味で。
コトバが軽すぎて、印象に残らない。そして、たぶん、悩んでいる人も印象に残らず反応できないのではないかと思う。
悩む人の心は重いのだ。そういう気持ちに、親身にならないコトバを投げかけても相手にされなかった、という経験をした人も多いのではないかと思う。まさに、このコピーのアプローチはその感じに思える。
また、こういう軽いコピーは、案外誰もが思いつきやすい。そのせいか、似たようなコトバが並んだコピーをどこかで何回も見たような気がしてくる。アイデアに親しさはあるが新規性が薄い、ということは否めないだろう。
でも、作者は、これが残るとは思っていなかったのではないかと推測する。
作者の実力を考えると、力を入れた応募コピーは他の課題にあり、本課題を2点応募したうち、このコピーはまさに軽い気持ちでコピーっぽい重複した言い回しのものをパパッと書いて添えただけだったのではないかと読めた。本当のところは、どうだったのか?! ご本人にお聞きしてみたい気もしますが。(笑
もし、作者がこのnoteをお読みになることがあれば、ぜひこの辺りをコメントでお聞かせいただけると幸いです。
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