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マニュアルを書く、のか。

昔からの知り合いと街でばったり会った。彼は昔のお客さんだったのだが、私は東京の子会社に、その人は東北支社に転勤になり、お互いが行方知れずで接点を失っていた。そんな人と10年以上の歳月を経て、もといたこの田舎の地方都市でばったり出会ったのだ。

道を歩きながら立ち話をして、今度はどこかで飲みましょうか? という流れになり、翌週には一杯やって情報交換し、彼の会社の登録業者にトントンっとなることができた。

そんなことを発端に、最近とあるところのとある仕事が舞い込む。内容は言えませんが、製品のマニュアルをつくるという仕事です。

コピーライターとは一見、無関係な仕事になるのだけれど、実は私、かつてマニュアル制作のノウハウをもつ会社にいたことがあります。オートバイのメーカーやカメラや事務機の大手メーカーなど、いくつか大きな仕事をしてきました。そのおかげで、サラリーマン時代も彼のいた会社(担当者は別の人ですけど)から、当時としては業界初の新商品となる「携帯型ナビゲーション」の操作マニュアルの制作で、ディレクションを任されたこともあったんです。

マニュアル文の基本は、誰にでも読めて理解でき、一つの動作のみ伝えきる文章を繋げていくことに尽きます。また、製造物責任法が施行されていますから、レベル分けされた注意文を不足なく掲載していくこともリスクヘッジのために不可欠。こうしたこと、案外知らずにいる企業って多いようで、今回もいくつか指摘をしながら、テクニカルな内容を含めて文章にしはじめたところです。

作業をしながら文章を眺め、改めて思ったのは、コピーライティングと似ているところがあるな〜ということ。

実はコピーも「誰にでも読めて理解できる」ことと「一つのことを伝えきる」という機能が求められています。機能の上ではマニュアルもコピーも類似していますが、強いて言えば、「興味喚起」というコトの必要性がないのがマニュアルの文章になると思います。(注意喚起をアイコンで行ったりはしています。)マニュアルを片時も離さず読んで、笑ったり泣いたりしている人、いませんよね。単調でつまらない。だから、飛ばして読みたくはなってしまうんですが…。

機能は同じ。表現が違う。それだけですから、昔やったことが今の実力を養う一助になっていたんだと思えました。でも、もし、マニュアルに興味喚起を加えて、片時も離さずに読んでもらえるようなものが書けたら…。グッドデザイン賞で表彰されちゃうかもしれませんね。


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