《第10回SCCしずおかコピー大賞 独りごと反省会。》 vol.51
課題6:令和の静岡県につけるキャッチコピー
・あたらしずおか
令和も2年に入り、オリンピックもパラリンピックも行われず、もう少しで9月に入る。今年を表す一文字は「禍」になりそうな気がする残り4ヶ月、そんな時期に『令和の静岡県につけるキャッチコピー』について考えることは、些かの恥じらいがある。
なぜなら、審査したときには、こんな世の中が到来するとは、全くもって思ってもいなかったからです。
審査員はもちろん応募してくれたみなさんも、コピーを眺めれば、だいぶノホホ〜ンとしていらっしゃることが読み取れる。そっかー。コロナ禍以前と今ではこんなに日本は違うんですね。『アフター・コロナ』というコトバが出てきた現在、新型コロナウイルス感染症に慣れてきた(慣らされた)ことにも気づき、改めて人間の環境適応能力に良くも悪くも感心させられます。
それでは、早速、最終課題(残り10本!)の一つ目を見ていきます。
「新しい」と「静岡」の造語ですね。新時代を伝えるコピーは、短く、わかりやすい。だが、それだけのように思える。去年の11月なら、ファイナルに残る可能性はあったのでしょう。でも、現在のコロナ禍を経験している静岡県民には、通用しないコピーでしょうね。
また、厳しい見方をすれば、新年号=新時代という考え方は、戦前の大日本帝国であれば国民が受け入れなければならない事項だった思いますが、グローバル化の追い風の中に起こるミレニアム(2000年、2001年)のお祭り騒ぎ以降、西暦で日常を生きる人は多く、年号の変化は日本国(お役所)だけの事務的なこととしか考えない人も多い。そうなると、コンセプトとなる「新しい」という概念のスケールでは、必ずしも現代人の心に共感や感心を与えない。と、思いますがいかがでしょうか。
あと、このコピーが残った理由の一つには、それだけこの課題は難しかったという状況も読み取れます。『令和』と『静岡県』。あまりに掴み所もない組み合わせに、応募した方も尻込みしたであろうこともよくわかります。
一応、この課題を使った私のメンバーズ大賞応募作品のリンクを貼っておきます。残りを見る前に、復習を兼ねてぜひチェックしてみてください。
私のコピー、静岡の県民性「オヒトヨシ」から世の中の不寛容問題に一石を投じていますが、新型コロナウイルス感染症によって不寛容問題が更に進んでしまいましたね。
去年、不寛容を嗅ぎ取れたことに、危惧を訴えられたことに、プロのコピーライターとしてはホッとしましたが、何にも増して世の中が悪い方に進んだこと(買い占め、批判、いやがらせ、など)にショックを受けました。少しでも早く平穏を取り戻して、寛容な世の中に戻ってほしいと切に願っています。
※コピーの版権・著作権等の使用に関する権利は、静岡コピーライターズクラブに帰属します。
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