マーケットインの広報を!
マンションメーカー広報15年、PR会社経営16年のPRプランナーが小さな会社の広報PRに役立つ情報を発信しています。
1.市場ニーズ優先か、自社の都合優先か?
あなたの会社で新しい商品やサービスを開発するとき、次のどちらのプロセスを優先するべきでしょうか?
①今、何が世の中に求められていて、どんな市場が有望なのかを調べる
②今、自社が持つ原材料や設備、技術、人員、資金力でできるものを考える
①は、まず初期段階で、顕在化している市場ニーズを調査し、そのニーズに合う製品・サービスのアイデアをいくつも考える。そのうえで自社の生産能力や営業体制で可能かどうか、コストが合うかなどを検討する。あとは、適切な価格と販路で売り出せば、ある程度売れることが期待できます。これが「マーケットインの商品開発」。
一方、②のように、自社の余った原材料を使ってモノを作ったり、空いた製造ラインに合わせて新商品を開発する。そして、製品ができた後でこれをどうやって売っていくか考えていくのが「プロダクトアウトの商品開発」。このような商品はたいてい、営業担当者が苦労します。
どちらが望ましいかといえば、一目瞭然ですね。
2.広報もマーケットインが基本
「苦し紛れに、勢いで作ったものが売れた」という話を聞くこともありますが、それは偶然にも、目の前に運よくニーズが転がっていたから。いわゆる「結果オーライ」でしかありません。
手元にある竿と仕掛けを適当に下げて、そこらへんにいた虫を針に刺して、目の前の海に糸を垂らしていても、今日のおかずは持って帰れません。趣味の魚釣りにだって「マーケットイン」の発想が必要なんです。
商品戦略の中で、マーケットインの考えが望ましいのは、経営の常識として知られています。中小企業経営者の方も、今「市場でどんなものが売れているのか」という情報には敏感です。ところが、広報に関しては「マーケットイン」の視点が欠けている場合が多いんです。
「いつ、どんな商品を発表すれば話題になるのか」、「いつ、どんな情報を発信すればメディアが取り上げてくれるか」、という「メディアのニーズ」まで考えている経営者は、残念ながらそんなにいません。
3.評判にるためには「ニュース価値」が不可欠
一般的なBtoC商品の場合、発売した商品やサービスがヒットする、最も大きな要因は「ちまたで評判になること」でしょう。
評判になるには、テレビCMや新聞広告、看板、チラシ、店頭キャンペーンwebやSNSなど様々な手段でコミュニケーションする必要があります。そして最終的には人を介した口コミ(評判の伝達)によって、その商品・サービスの社会的評価が定まってきます。
あるモノやサービスが評判になるために必要不可欠な要素、それが何らかの話題性、つまり「ニュース価値」です。
4.自社情報とニュースのキーワードを関連させる
世の中には同じような商品、よく似たサービスがいくらでもあります。あなたの会社の商品が他社と比べて高品質であったとしても、際立った特徴をシンプルにアピールできなかったら、人が口コミで話題にしようとしても、その良さを伝えられません。
商品・サービスを普通に売り出しただけでは誰にも知られず、売れていくことはありません。巷の話題にならなければ、ヒットしようがないのです。(何十億円の広告宣伝費でテレビショッピングでもすれば別ですが…)。
商品を開発して、広告宣伝費や営業経費をかけずに効率的に売れるようにしたければ、マスメディアやSNSでいま、どんな話題が取り上げられているかを調べてください。
あるいは近い将来(ひと月先、半年後、一年後…)にニュースになるキーワードは何かを予測し、最適なタイミングで、自社の商品・サービスとそのキーワードを関連付けて発表するようにしてください。
広報活動も「マーケットイン」で取り組んでいきましょう。
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