見出し画像

広報担当者のための「伝わる文章」の書き方

マンションメーカー広報担当15年、PR会社経営16年のPRプランナーが、地方の中小企業に特化した広報PRのヒントを発信しています。

1.広報担当者のためのお悩み解消~文章上達法

広報担当者の重要な業務に「文章を書く」という仕事があります。「文章が苦手だ」という広報担当者は、毎日の仕事上で相当なストレスを味わいます。そんな悩みを解消するために、今日は「伝わる文章の書き方」をまとめてみます。

私がかつて会社員で駆け出しの広報担当だった時、日常的に作成するプレスリリースをはじめ、社内外への企画書やレポートなどの書き方に長いこと悩みました。「本を読むのは好きだけど作文は超苦手」だったんですね。そこで上司に頼んで、新聞社が主催する「伝わる文章講座」に参加させてもらったことがあります。講師は産経新聞東京本社の女性記者さん。

あれから30年。その後のデジタル化の進展で、SNSやブログなどで大衆受けする文体や言葉に変化は見られますが、「伝えるための文章の書き方」の基本は、30年、いや50年前からほとんど変わっていないと思います。

なお、ここで紹介するのは、一冊の著書になるような長いものや、広告コピーのようなキャッチ―なものではなく、プレスリリースや報告書、blogなど比較的短くて、具体性と論理性を求められる文章に限定した書き方です。

2.伝わる文章とは

まず、伝わる文章とはどんなものかというと、
① 最初の数行で全体の趣旨がわかる
② 内容や語句が難解でなく、理解しやすい
③ ポイントが明確で、読み手が「なるほど、そうだな」と納得できる
④ 内容が目に浮かぶ

ような文章のことです。独りよがりでもよい日記やエッセイは別として、大勢に読ませるための文章の基本は、小説も論文も新聞記事もプレスリリースも同じということです。

3.読み飛ばされる文章とは

逆に、読んでもらえない、または伝わらない文章とは、
① とにかくやたら長い
② 語句や表現が難解
③ 5W1Hなどのポイントが絞れていない
④ 論理的に矛盾がある

つまり、すんなりと理解できない文章は、全く読まれないか、アタマだけ読んで終わりになるかのどちらかということ。

お役所的な文章や、高名な学者が書く論文は、相当な目的と覚悟がないと読むのに骨が折れますよね。一体、誰のために書いた文章なのか?

あなたの書いている文章はいかがでしょうか?

4.理解しやすいビジネス文書やプレスリリースとは

ビジネス文書やプレスリリースを理解されやすくするために、文章の定石があります。
① 結論が先。「結論」⇒「経過/理由/目的」⇒「背景/関連」という構成
② 短い文で、簡潔に構成されている
③ 専門用語、業界用語を極力使わない(やむをえない場合は注釈をつける)

わかりやすさが求められる場面では、「起承転結」のストーリーは不要。「結論から、重要な順番に書く」ことを徹底しましょう。

5.書き方の注意事項

① 話のテーマ、伝えたいポイントをアタマに持ってくる
② 一文はできるだけ短くする
③ 「中学生にわかるか」を意識して書く
④ 「しかし」「それで」などの接続詞を避ける
⑤ 同じ内容、表現や語句の繰り返しを避ける
⑥ 難しい漢字や常套句、専門用語を避ける

大事なのは「テーマを頭に持ってくる」ことと、「一文を短くする」、「中学生にわかるレベルに翻訳する」ことの3つ。避けるべきは「接続詞」と「繰り返し」と「難しい語句」の3つ。

プラスマイナス3つずつのポイントを押さえることができれば、あなたの文章はかなり改善できます。

6.実際に書いてみよう

書き方の基本とコツを踏まえたうえで、実際に読みやすい文章を書くためには
① 新聞のコラムや名文と呼ばれる人の文章を読み、真似てみる
② いきなり書き出すのでなく、テーマと流れ、結論を書いてみる
③ 文章がうまいと言われる人に読んでもらい、フィードバックを受ける

とう手順を踏みましょう。

「とにかくたくさん書く」ことを推奨している人もいますが、文章力の基本ができていないまま、闇雲に書いても上達はしません。特に、第三者に冷静に批評してもらうことで、進化スピードは格段に上がります。

7.書き終えたらチェックが大事

文章をひと通り書き終えたら、誤字、脱字のチェックだけでなく次のことを確認します。
① 声を出して読んで、スムーズに読めない箇所がないか
② 文体は統一されているか
③ 主語と述語がうまくつながっているか
④ 語句や表現の重複がないか
⑤ 修飾語が多すぎないか
⑥ 適切な表現、比喩になっているか
⑦ 書き出しと結論に矛盾がないか

これらを毎回チェックし、校正完了しなければ社内文書やプレスリリースとして人目にさらすべきではない、ということですね。

基本をしっかりと踏まえた上で、数をこなして鍛錬し、第三者の批評・指導を受ける。スポーツも文章も、上達するための王道はそれです。

教えていただいた産経新聞の記者さんのお名前は忘れましたが、改めて感謝いたします。

最後までお読みいただきありがとうございました。この記事を読んで役に立ったと思ったら #スキ 、フォローなどを押していただけたら嬉しいです。

この記事の筆者が書いた本「地方の中小企業が全国ブランドになるための広報PR パブリシティ戦略」 ご興味のある方はクリックしてください。

https://www.amazon.co.jp/dp/4772661239?tag=note0e2a-22&linkCode=ogi&th=1&psc=1


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?