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ニュース価値って何?

マンションメーカーで広報担当15年、PR会社経営16年のPRプランナーが、地方の中小企業に特化した広報PRのヒントを発信しています。

1.ニュース価値の高い話題とは?

新聞やテレビ、インターネットを通じて毎日流れてくるニュースの数々。いろんな放送局があり、多くの新聞社、通信社があるのに、「きょうのトップニュースはどこもぜんぶ同じ」ということが少なくありませんね。それは、各メディアが揃ってその日その時、その話題に最も高いニュース価値を認めているからです。

企業広報の面から、ニュース価値とは何かという基本に立ち返ってみたいと思います。

2.ニュースは「新しい」が最低条件

ニュースの最低条件は新しいこと。古いことが「NEWS」でないのは当たり前ですよね。

すでにどこかの新聞に紹介されていたり、広告が出ていたり、パブリシティの前にどこかで大っぴらに販売していたりしていたのでは相手にされません。(もちろん、ちょっと古い話題を新しい切り口で紹介したり、付加価値をつけたりすることで新鮮なニュースとしてよみがえらせることもできるのですが)

3.ニュース価値の判断基準

ここで、メディアがニュースとして取り扱うかどうかの判断基準を並べてみます。

①社会・地域に広く影響すること。全国メディアであれば日本全体に、地方メディアであればその地方の社会全体に影響するかどうか。例えば地方都市での新店オープンでも、全国チェーンの店舗が入った大型ショッピングモールはニュースになりますが、「向こう三軒両隣」で商売する小売店のオープン程度ではなかなか取り上げられません。

②一般的な読者・視聴者にわかること。新聞(一般紙)の読者はおもに家庭の成人・高齢者。経済紙は会社員や経営者。テレビは子供から大人、高齢者まで時間帯によって視聴者層が違います。こうした人々が読んだり見たりしても理解できない難しい事柄は、ニュースになりにくい。それ以上にレベルが高く専門的な事柄は、それぞれの業界の専門メディアを狙うこと。

③他のニュースがないこと。ニュース価値は相対的なもの。普段であれば1面トップに来るようなネタでも、同じ日にそれ以上の大きなニュースがあれば、片隅に追いやられることがあります。逆にニュースのない日(記者が手持無沙汰にしている日)を選んで発表すれば、それほどセンセーショナルなネタでなくても取り上げられる可能性は高まるんです。

④一斉発表でない、自社の独自記事であること。一社だけのスクープ記事(特ダネ)は記者の勲章。記者クラブで一斉に発表するよりも、一社だけ選んでこっそり情報提供した方が扱いも相対的に大きくなります。ただし、一社だけえこひいきをし過ぎると他のメディアから相手にされなくなる危険があります。

⑤トップが取材を受けること。同じ企業のニュースでも、広報担当者や現場の担当者が取材されるのと、社長が直接受けるのとでは、記者の力の入り方が変わります。担当者では自分の担当分野の話しか聞けませんが、トップであれば会社全体の目標や方向性なども明確となり、記事としての重みが違ってくるからです。

⑥時流に合った話題であること。社会的に話題になっている事柄に関連したニュースには、記者も関心を寄せていますので、ニュースとして取り上げられやすくなります。つまり、全く同じ情報でも時代背景や季節、その日の社会の状況によって日に日にニュース価値が増えたり減ったりするものなんです。

4.ニュース価値の最大化を目指そう

企業から発せられる同じ情報でも、リリースの表現、時節との関連、発信方法、タイミング、発表者など、様々な条件によってニュースの価値メディアの反応が変わってきます。

料理でも、その素材の旬や、下ごしらえや調理の仕方、盛り付け方、提供するタイミングなどで、お客様が美味しく食べていただけるかどうか、評価が決まってきます。企業の広報も同じ。良いネタを、お客様(メディア)の好みに合わせた味付けで、タイミングよく提供できれば、必ず食べてもらえる(取材・報道してもらえる)んですね。

ニュースネタが見つかったら、漫然とリリースを書いて配るだけでなく、ニュース価値をどう高めて、いかに多くのメディアに好意的に取り上げていただけるかを考え、実行するのも広報の役割と言えるでしょう。

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