「怠惰なんて存在しない」人生を味わうために
怠惰なんて存在しない
いかに自分が社会の「怠惰の嘘」の上で生きてきたのかを気づかせてくれる本。
・効率重視で、時間をかけてより良いものを作るべきだ。もっとやれるはずだ。
・できてないのはただ自分の努力が足りてないだけだ、生産的にならなくては。
・怠け者はいけない。怠けている自分はなんてダメなんだ。
本書ではアメリカの社会を通して、怠惰であることが良くないことが社会通念、暗黙地として社会全体に浸透しているかを伝えつつ、その上で、怠惰なんてことはない、そもそも社会の状態、構造が人の生産的な活動とずれていることから一般的に怠惰とされている状態が起こっていると声をあげている。
心理学とは、マイナスをゼロに近づけるために用いられがちな印象があるが、プラスをより良いものに持っていくものでもある。
自分は怠惰である。ダメな人間だという固定観念からの解放、そして、自分の人生の価値を再設定して個々人にとってより良い人生を考え直すきっかけになるとても面白い本だった。
その中でも、
「人生を味わう」
この言葉がとても印象に残っている。
1これからのイベントを楽観的にワクワクして待ち望む
2ポジティブな瞬間の最中には存分に堪能する
3その経験が終わってからも敬愛や感謝を持って思い出す
振り返ると、予定を立てた時にはイベントをワクワクはしているが、直前、最中は少し楽しんだらすぐに思考は先に先に進んでいっていた。
昔お付き合いしていた彼女とのデート中も、
昼ごはん食べながら、「夜何食べようね」。
一緒に家でのんびりしながら、何時にこの家でたら自分の家に何時で大体寝るの何時だな。明日は何しよう
仕事中も
このタスクを終えた後はこれしてアレして、あ、こっちはどうしよう
先輩と話していても、後輩にどうやって伝えよう。後輩と話していても、どう先輩に相談しよう。
正直、効率的に日々を生産的にとなりすぎている。書き出してみると逆に非効率な気がしてくる。なんとなくずれを感じながらもこの本を読むまで全く気づいていなかった。
人生を「味わう」どころか、せっかくの幸福感を「削ぐ」行動をしていた。
自分の感情を抑えて、今目の前のことから気を逸らして、自分や他の人の粗探しをして、できなかったことを反省する。
そりゃあどんな仕事してようが、どんないい職場環境だろうと楽しくないわなあぁ!
人生を味わう意識を持って、あえて苦手なことに挑戦したり畏敬のねんを抱くような新しいものに触れ合う機会を作って1秒1秒を切り取ってみようと思う。
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