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:妄想歳時記:ヘンコツ連れて 花火見物

日に日に蒸し暑さが増し、夏休みは始まる。
交通規制、溢れる男女、かいわいはハレの場。
チンチキチンと軽やかな、おはやしが響く中、
ヘンコツ者と連れだって「天神祭」。

エイヤーサーと可愛い子どもたちの掛け声、
カンカン照りを神輿が練り歩き、船渡御、奉納花火。
もうそのころには、人波で身動きがとれない。

「祭りはテレビで見る方がええ」と、ヘンコツ者。
ちょいちょい居てます、こんな人。

小腹が減っても、出店や屋台は粉もんばかり
「大阪の食べ物はそれしかないんか」と
文句ばかりのヘンコツ者も
大音量の花火が始まると、さすがに神妙。

橋の上、目を向け次の花火をジッと見守る。
遠く花火を見上げる人たちは、米粒ほどの大きさ。
やっと、おとなしくなったとひと息つくと、

橋の上、ギューッと詰まった人のかたまりを見て、
「あっそうや、押しずしが食べたい」

月刊誌「大阪人」/2008年8月号 掲載
おおさか絵暦
イラストレーション&文⚫︎中田弘司

発行:大阪都市工学情報センター

今から15年以上も昔、
大阪天満宮の近くで仕事をしていた。
そこは南森町という場所、日本一長い商店街が続き
祭の日には屋台が並び、あたりは人で溢れる。
知り合いの事務所から、花火を眺めたり、
早い時間から居酒屋に逃げ込んだり、ハレの日を楽しんだ。
住んではいないので、祭自体には参加していないが
これから始まる夏本番を迎え、
何かしら、一区切りされるイメージがある。

さあ今年もまた、暑い日々が続く。





天神祭

日本各地の菅原道真を祀る天満宮で行われる祭りで、大阪天満宮の「天神祭」(てんじんまつり・てんじんさい)は、日本三大祭りの一つ(東京の神田祭、京都の祇園祭)といわれ、大阪三大夏祭りの一つ(愛染祭、住吉祭)でもあります。毎年、24日宵宮、25日本宮が催され、25日夜には奉納花火が上がり、たくさんの人たちで賑わいます。

大阪天満宮HPより











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