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八十八面観音巡礼[聖林寺]、JR桜井線〜大神神社(多武峰街道・後編)
以前、法輪寺で見つけた「八十八面観音巡礼」
最後の一寺「聖林寺」を見に行く。
何度か伺っているが、
観音堂が新しく免震機能付きの収蔵庫に改修され
十一面観音が360°拝観できるようになってからは
初めてだ。
スタート地点の桜井駅から、
等彌神社までは、前編の記事に
等彌神社の前、11:55
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多武峰街道に戻り、南へ
大きな鳥居が見える。
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談山神社の大鳥居だ。
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このまま、南に歩けば談山神社だ。
ただ樹々の影のない街道歩き町歩きは、もう暑い。
秋になったら行こう。
多武峯(とうのみね)街道は大字浅古にある談山神社の一の鳥居から、五十二石の町石をたどって大化改新(乙巳の変)の主役、中大兄皇子と藤原鎌足が蘇我氏討伐を話し合ったといわれている談山神社のある多武峯までの古道です。
街道沿いは、石碑、石仏が並ぶ。
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立派な建物、杉玉や酒の看板、酒蔵のようだ。
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聖林寺橋
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のどかな風景が広がる。
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12:20着
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聖林寺
聖林寺の創建は古く、奈良時代の和銅5年(712)に、談山妙楽寺(現 談山神社)の別院として藤原鎌足の長子・定慧(じょうえ)が建てたとされています。
幾度か火災に遭い伽藍が焼失しますが、江戸時代中期、大神神社の神宮寺の一つ、平等寺の僧侶・玄心律師が再興。以後、神宮寺との交流が深くなり、天台寺院である妙楽寺の山内にありながら、聖林寺は真言宗の律院として明治時代まで栄えることとなりました。
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階段を登り、入り口には大界外相の碑
「大界外相」とは、寺域と外界の境界を知らせる言葉だそうだ。
結界石とも云い、鳥居のようなことなのか?
慈雲尊者の遺筆とのこと。
(慈雲尊者!、生駒の長尾の滝で座禅をしていた人だ)
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北側に見えるのは三輪山、
反対の南には多武峰街道が伸び
談山神社に繋がる。
談山妙楽寺(現 談山神社)の別院として創建され
大神神社の神宮寺の一つ、
平等寺の僧侶・玄心律師が再興したという。
こちらの立地は、
とても大きな力のバランスの中央で
吊り合っている。
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参詣の皆様へ
この山門から盆地の東南部が一望のもとに見渡せます。
前方北の美しい山が三輪山で、
その麓(現在の桜井市)を狭義のヤマトといい
古代大和政権の中枢部でした。
三輪山の左に見える前方後円墳は
邪馬台国の女王・卑弥呼の墓ともいわれています。
さて、門前の「大界外相」の碑は慈雲尊者の遺筆です。
内障には安産と求子の祈願仏として高名な
本尊・子安延命地蔵をはじめ
数体の仏像・仏画をおまつりしていますが、
なかでも大悲殿に安置の国宝・十一面観音(奈良時代)の
美しいお姿はギリシアローマの彫刻にも比較され
称賛されています。
聖林寺
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団体有り、少し待つ。
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拝観料600円が、
桜井駅観光案内所でもらった
「JRで行く大和の古道紀行」の提示で、
大人一割引、540円
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本堂に入り左側奥より出て、階段廊下を上がると
新しい観音堂に。
国宝・十一面観音をお祀りするため昭和34年(1959)に建立した、日本初の鉄筋コンクリート造りの収蔵庫。2020年5月より免震機能付きの収蔵庫に改修、2021年4月に落慶予定。
HPには落慶前の情報だが、
観音堂の写真もアップされている。
以前の収蔵庫では、正面ガラス張りだったが、
新しい観音堂では
360°周りから見る事ができきる。
参拝。
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360°見れることで、
少し威圧感が薄れたように感じるが
ほんとに、シュッとして、スタイリッシュ!
近代的な観音堂が、よく似合う。
過去、東京国立博物館にて
2021年6月22日(火)~9月12日(日)に
特別展「国宝 聖林寺十一面観音―三輪山信仰のみほとけ」
が、開催されていた。
国宝 十一面観音菩薩立像が
奈良県から出るのは初めてのことだったそうだ。
現在の出開帳は、博物館で行われる。
観音堂を出て
廊下からの眺め。
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本堂に戻り、
大きな地蔵さんや諸仏を拝観。
参拝者が多く、落ち着かない。
本堂からの眺め。
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本堂を出て、前庭。
狭いスペースだが、借景し
立体的に広がるイメージ。
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多武峰街道を戻り、
北へ、
大神神社へ。
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三輪そうめんの町
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JR「桜井」駅に着いたが
日陰がない町歩きはきついので
桜井線、奈良行きに一駅だけ乗る。
JR「三輪」下車、
楽しい参道を歩き。
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大神神社
ご祭神の大物主大神(おおものぬしのおおかみ)がお山に鎮まるために、古来本殿は設けずに拝殿の奥にある三ツ鳥居を通し三輪山を拝するという原初の神祀りの様を伝える我が国最古の神社です。
もりもりと、樹々がものすごい。
連休で参拝者が多いが、
それ以上の勢いだ。
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手水場は、巳さんでした。
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参拝。
先程、聖林寺から眺めていた
三輪山を拝す。
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参拝。
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参拝
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2時過ぎ、
狭井神社の向かい
古くからあるお店、丁寧なおばちゃん。
昼食、にゅうめん。
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展望台から
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タケノコ越し
遠くには大鳥居、
参拝。
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若宮社
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参拝。
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大神神社摂社 大直禰子神社(若宮社)
御祭神 大直禰子命(おおたたねこのみこと)
御例祭 四月八日
(御由緒)
御祭神の大直橋子命は大物主大神のご子孫です。
第10代崇神天皇の御代に疫病が大流行し、国難がおこった時、天皇の御夢にあらわれた大物主大神の神託によって、茅渟県陶色(現在の堺市)に大直橋子命を見出され、大神を祀る神主にされると疫病は治まり國が平和に栄えたとされます。
また御祭神が大物主大神のご子孫であることから若宮社とも呼ばれ、春の大神祭では若宮の御分霊が神輿に遷され、三輪の町を巡幸されます。 神仏習合の時代は大神寺、後に大御輪寺として永らく大直禰子命の御神像と十一面観音像(国宝・現在は市内の聖林寺に奉安)があわせ 祀られてきました。本殿には奈良時代の大神寺創建当初の部状が残って おり、貴重な神宮寺の遺構として国の重要文化財に指定されています。
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こちらが大御輪寺だったときに
大直禰子命の御神像と聖林寺の十一面観音像が
合わせて祀られていたという。
十一面観音は、もとは三輪山の神宮寺の一つ「大御輪寺(だいごりんじ)」の仏さまでした。大御輪寺は大神神社の最も古い神宮寺として奈良時代中頃に設けられ、十一面観音はその本尊として祀られてきました。
明治政府の神仏分離令による廃仏毀釈を免れるため、慶応4年(1868)5月16日、大御輪寺と親交の深かった聖林寺に移されたといわれています。
法隆寺(斑鳩町)夢殿の厨子を開扉させ、
救世観音像の存在を明らかにした
アメリカの哲学者フェノロサによって、
秘仏の禁が解かれ、
人々の前にその美しい姿を初めて現したそうだ。
また、白洲正子の随筆
「十一面観音巡礼」(講談社文芸文庫)の
「聖林寺から観音寺へ」の中には
昭和7、8年に初めて訪れた時
聖林寺と尋ねても誰も知っている人はおらず、
観音様は知らないが、
お地蔵さんならあの山の上にあると言われたそうだ。
そして、
世の中にこんな美しいものがあるのか、と
はじめてお参り時の感動や
その観音様は本堂の隣の部屋の粗末な板がこいの中におられた。
などと、当時の様子がが書かれている。
戦中戦後、明治維新や、それ以前の神仏習合
時代によって、価値は変わる。
白洲正子、フェノロサ、それ以前の神仏習合
見る人によって、価値は変わる。
けれど、観音様は変わらない。
それが有り難いということだろう。
参道に戻り、
駅の手前「狛犬大祭」の幟に誘われ
恵比寿神社
参拝。
新しく始まったお祭り
5月6日に開催だそうだ。
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御神木の欅
樹齢600年
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JR「三輪」駅、
3時前、ちょうど電車が来る。
向かいのホームに、走る。
間に合った。
「JRで行く大和の古道紀行」では
桜井駅を中心に7つのコースが紹介されている。
大神神社は、もっと落ち着いて参拝しよう。
本日で、「大和路秀麗八十八面観音霊場」は
コンプリート。
何度でも参拝したい、魅力的な場所ばかり。
ありがとうございました。
八十八観音巡礼記はこちらに
●長谷寺
●海龍王寺、●法華寺
●室生寺
●西大寺
●大安寺
●法輪寺