疲れに関する本を読んで
例年、200冊くらいは読書をしているが、妄想が膨らみすぎて本について書けていないなと反省したので、今年はできる限り読書感想文も書きたい。
今年の一冊目は、「疲労とはなにか」。疲れ切った自分にふさわしい本だ。
ど文系だが、ブルーバックスは比較的良く読んでいる。
本書は、簡単にいうと、うつ病って、ウイルス性なんじゃないのという仮説から、SITH-1というウイルス発見までの軌跡を書いたものだ。
疲労と疲労感という数年前の話題から始まる。栄養ドリンクの表記が一気に変わったのが懐かしい。
疲労の中でも特に肉体疲労は、ヒトヘルペスウイルスの一種を測定することでわかるのが斬新だった。※口内炎が出るやつではなく、HHV-6というもの
そして、次に肉体ではない疲労は、ヒトゲノム(遺伝子)だけではなく、細菌(マイクロバイオーム)、ウイルス(バイローム)も影響していて難しい。これらを総じてメタゲノムと呼ぶ。
ヒトゲノムだけではなく、細菌やウイルスも含めて人体が形作られているという発想があり、それがメタゲノムという概念につながっている。
理系の本を読むと、そこから組織などに関する仕事に役立つ洞察を得られる。組織にも、遺伝子、細菌、ウイルスと似た構造があると感じたが、脱線が過ぎるのでまたの機会に。(この脱線部分だけを書くのが僕のいつものスタイルですが、今回は一歩成長して、本から離れません)
ウイルスは宿主で変わる性質があるため、ラットでの実験ができない。人間での実験は難しいことも影響し、メタゲノム解析にはとてもお金がかかるため、なかなか肉体疲労以外の疲労の原因は特定できずにいた。
ところが、肉体疲労以外の疲労、例えば、うつ病や慢性疲労症候群は症状がコロナ欝に似ているということで、急激に手がかりが得られたのだそうな。
ここからは是非買って読んでいただきたいが、当初思っていた本とは違っていつつも、示唆の多い本だった。オススメです。
※元旦に下書きしたものです。
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