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【試行錯誤実況中継】 AIを通して活用できる創作データベースを作ってみる (1)構想を語る
以前から、小説を書いてみたいと思っていました。
頭の中には無数のアイディアが渦巻いています。魅力的なキャラクターたち、その関係性、物語の舞台となる世界観…。
それらをすべて記憶し、整理し、矛盾なく物語に活かしていくのは、とても大変な作業です。その困難を克服すべく、「創作データベース」を作ってみたいと思うわけです。
難しそうに聞こえるかもしれませんが、要するにこれは「デジタル版の設定資料集」。物語を作る時の強力な味方になってくれるはずです。
本記事では、そのような創作データベースをどう作っていくべきか、ざっくりした構想を語ってみます。
さらに続報記事ではその構想を実現すべく私が試行錯誤する様子を実況中継的に書き連ねていきたい。これらの記事は下記のマガジンにまとめていきますので、ぜひそちらの購読もご検討ください。
より確かな創作の土台を目指して
目指すのは、関連するあらゆる情報を集めた統合データベースです。
さらに、データは人間の目だけではなくAIからも容易にアクセスできる形にまとめます。データベースの開発にもその応用にもAIを存分に活用します。これにより高度で多彩な創作を実現したい。
まずはシンプルなメモ帳的なものから始めて、少しずつ便利な機能を加えていきます。
以下、考えていることを走り書き的に書いてみます。
創作データベースを何に使うのか?
創作の素材となりうる情報と作家自身のアイディアを一堂に集める
たとえば歴史小説を書くとすれば、昔実在した人物や国などを史実に忠実に描写したいところ。たとえば異世界ファンタジーを書くとすれば、さまざまな異形の種族や、複雑な魔法体系を描写したい。さて、日本史に登場する戦国武将がエルフやドワーフと戦うパラレルワールド的ファンタジー小説を書きたくなったとしたらどうなるだろう。
こう考えると、分野に関わらずあらゆる情報を特定の統一的フォーマットで纏めておくのが望ましいだろう。
集めた情報を整理する
さらには、外部から集めた情報だけでなく、作者自身の頭の中に生まれた閃きの文章化も進めていきたい。これも同様のフォーマットのもとでデータベース中に書き連ねていく。
こうしたデータベースに収納した事柄それぞれにタグをつけておく。また、階層的な分類をしておく。あとで参照・活用するにあたって便利だろう。
AIの活用
上記をAIに与え、アイディア出し・プロットの構成・プロットに沿った文章の作成などを補助してもらう。
検討事項
特に深く検討すべきは、キャラクターの成長過程や人物関係、複雑な世界設定といった要素をいかにうまく扱うか。
「うまく扱う」とは、二つの条件が満足させれていることを意味する。第一に、情報を収集・保存する作業が簡単に行えること。第二に、できたデータベースから必要な情報を過不足なく簡単に取りせること。
それを資源としてAIの助けで活用することで、作家の頭の中にある創作世界を着実に作品に活かすことができるはず。これによって第二の条件をクリアすることを目指す。
データベースに格納するべき情報を挙げてみる
キャラクタ設定
自分の創作で使いたい登場人物の設定をデータベース化する。それぞれのキャラ設定に含まれるべき要素としては:
名前 -- まあこれは必須。ただ、成長や出世によって名前が変わっていくとか、いくつもの別名を使い分けるとか、そういうキャラの場合に「名前」をどう管理するのが良いだろうか?
職業 -- 作品によっては必要不可欠だろうが、これも途中で変遷したりいくつもの顔を使い分けている場合にどう管理すべきか。そもそもどこまでが「職業」なんだろうか? たとえば「勇者」は職業?
種族・民族 -- ジャンルによるが、異世界もののラノベなど書くなら必須項目だろう。
生年月日・死亡年月日 -- あえて設定しない場合もあるだろうが、歴史ものの作品などならほしい所だろう。でも異世界ものや太陽暦以外を使っている世界において「年」をどう表現したらいいだろう?
他のキャラとの関係性 -- これは別のデータベースにて手当すべき?
舞台設定
これも、長編ラノベなんかを書きたいなら、とくにファンタジーやSF系ならしっかり押さえたい所。そこは地球なのか他の惑星なのか。それとも巨大な船の中とか? 月はいくつある?
他にも、国家のありよう、秘密組織の組織図、魔法の体系などなど、データベース化しておいたほうが良さそうな要素はいろいろある。
あらすじ・プロット・構成
実際に作品を書きはじめて「構成」を考えるべき段階となれば、破綻なく物語を構築するために、エピソードやシーンもデータベース化しておきたい。書き出してみた個別のシーンをそれぞれ一つのページとしてデータベース中に保持しておき、時系列ごと、登場人物ごとに並べ替えたり抽出できたりする仕組みがほしい。
例えば下の記事で述べられているような「時系列プロット」がシステマテックに管理できたら嬉しいだろう。
参考:『時系列プロットを利用する』 (ワタシトノベル――私の小説の書き方メモ 作者: フィーカス)より
おわりに
次回からはさしあたり、創作データベースを構成する子データベースである「人物データベース」の構築から進めていきたいと思います。乞うご期待。