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小磯通信
2019年6月13日 20:02
涙もいい加減干からびて、渇いたアスファルトの向こうには夏が来る。甘い香りに身を委ね、私は、気づけばここまで歩いていた。太平洋に打ち落とされて、ゆらゆら揺れる空をたしかに感じながら、それでも何もせず、何も考えられなかった。烈火の如く燃え盛る炎を背にしても、なんとか這いつくばって、外れた歯車を戻そうとしていた。だけど仄かに鼻をかすめたような気がして、思わず振り返った。本当は、誰の気持ち