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ピーター・アイヴァース!!

「音楽」という映画を観た。
監督は岩井澤健治さん。原作は大橋裕之さん。
ここ最近観た映画のなかで、いちばん好きだった。
いや、ここ1、2年でふれた創作物のなかでいちばんかもしれない。
すべてが最高の映画だった。
120点のデートをしたあとに「ピーター・アイヴァース!」って叫びたい。
と思いました。

そして、この映画は、たくさんのひとに観られるべき映画なんじゃ、なかろうか!
と思った。
友情、葛藤、挫折、もういっかいがんばる、女の子、みんな好きなものがうまーく詰め込まれているあの映画。絵柄はちょっとクセが強いけど、女の子なんて最後にはかわいくみえているから、不思議だね。

「音楽」の予告で、「今日から俺は」の劇場版がこの夏の大本命!というようなコピーで紹介されていたけれど、「音楽」はこの夏の、いやこれからさきずっと、夏の大本命になれるようなポテンシャルを持っている映画だと思う。

高校生がタバコ吸うシーンがあるから、テレビで放送されることは、きっといまの時代むずかしいだろう。そこがなんかひっかかった。あの描写がなければ、金曜ロードショーなんかで流されちゃって、もっとファンが増えたんじゃないのか?

もしかしたら。あえてタバコを吸わせたのか?!
テレビで放送なんかされなくても、きっと多くのひとに伝わるはずだという覚悟や信念のもとで、そういった選択をしたのかもしれない。
インディーズ・スピリットとでも言うのでしょうか。いやいや、原作への最大の敬意を表明しているのかも。

とにかくぼくは、どんなひとにでも、映画「音楽」を観てほしい。

この、みんなに知られたいVSわかるひとにだけ伝わればいい問題は、ぼくの人生にもおおきく関わるものだ。
たとえば、髪型。ヘアカタログの表紙になってるさっぱりしたマッシュにでもすれば、少しはモテるかもしれない。でもぼくは絶対そんな髪型にはしない。ここに理由はない。自己顕示欲とか承認欲求とかいろんな言葉があるけれど、そんなことよりもぼくはとにかく「モテそうだからこの髪型にしよう」と思うことをダッセーーーーー!!と感じてしまう。
どうしようもない。きっと、雑誌に載ってるカッコいい髪型にしてモテる可能性にかけたほうが、絶対にいい。でも、どうしても、嫌なんですよね。
そんなふうに、こだわりがある。
一方で、多くのひとに受け入れられたら、とてもしあわせなんだろうなと思う。
大学1年生のころに付き合っていた女の子が「みつけてくれてありがとう」と泣いたことがあった。ぼくも、全くおんなじきもちだったし、正確に言うとみつけられたのはぼくだ。誰からも好かれて片方じゃ避けられているような女の子だった。むずかしいことを成し遂げようとしている女の子。「みつけること」より「みつけられること」を喜んでいる姿は、なんというか意外だった。みつけられること、受け入れられることは、そんなことに興味なさそうなひとにとっても、ほんとうはうれしいことなのかもしれない。

職場で、飲みに誘ってくださる方がいる。
ぼくはその方にみつからなければ、いまよりもずっとずっと働くことがつまらなかったことでしょう。
隣に座っている女の子は、最初ぼくのことをほんとうに嫌いだったと思う。でも、いいところをみつけてくれたのか、いまは仲良しだ。


みつけられるってことは期待されるってことなんだと思うよ。どうだろう。
コイツを飲み会に呼べば盛り上がるんじゃないか、このひとと話せば面白いいんじゃなっか、、、そんなふうに。

期待されたいな!!
期待してくれるひとと、デートをする。100点中170点のデートを。
それでぼくは帰り道に叫びたい。

ピーター・アイヴァース!!

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