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金継ぎをしてみた | 金曜日のひとりごと
ずっとまえにうっかり割ってしまった豆皿。
いただいたものだったので、いつか金継ぎで修復しようととっておいたのを、この間の連休でやっと実行しました。
金継ぎとは。
金継ぎ(きんつぎ)は、割れや欠け、ヒビなどの陶磁器の破損部分を漆によって接着し、金などの金属粉で装飾して仕上げる修復技法である。金繕い(きんつくろい)とも言う。
wiki先生によると、漆によって修復した痕跡は縄文土器にもあったそう。さらに金継ぎに芸術的な価値が見出されるようになったのは、室町時代に茶道精神が広がったことがきっかけだったようです。
わたし自身がいつ・どのように「金継ぎ」を知ったかはもう思い出せないのですが、5年以上前に割ってしまったグラスもいつか直そうと思って保管しているので、それより前だと思われます。(ガラス用の漆があるというところまでは調べました)
金継ぎのワークショップをやっているところに行くことや、プロに修復を依頼することも考えて、いろいろ調べてはいました。その過程で自分できるキットも数多くあるとわかり、実際におうちでやっている方の動画なども見て、自分でやってみたいなあと思うように。
順番的には豆皿を割ってしまった方が後なのですが、大きさ的にもはじめて挑戦するのによさそうと思って、やっとこさ重い腰を上げました。
わたしが購入したのはこちらのキットが付属された本。写真が大きく工程がシンプルでわかりやすかったです。
今後も大量に金継ぎをする予定がないので、キットの内容も十分でした。接着剤とパテは自分で用意する必要があるので、本で紹介されていたのを参考にホームセンターで揃えました。
たしかに簡単!おうちで金継ぎ
修復前の状態は、きれいに真っ二つというかんじ。そして少しはじっこが欠けてしまっていました。
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本来であれば漆で接着すると思うのですが、本にある説明に沿って、まずは接着剤でくっつけます。この豆皿はもともと箸置きとして使っていたので口に入れるものを盛り付けることは想定していません。
キットも含め接着剤選びのときは修復後の用途も考えるといいと思います。
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欠けた部分をパテで埋めるとこんな感じ。これはヤスリをかけた後です。
ヤスリは器を傷つけないように、細かいものを選びました。(本では1200番がおすすめされていました)
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パテが乾いたら、漆の登場です。金の色をつけた状態で竹串でヒビの部分や欠けた部分に載せていきました。
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ちょっとムラがありますが、自分でできたということに満足。
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しっかり丸一日以上おいてかわかしたのち、箸置きとして食卓に復帰しています。
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大事なものを長く使いたい
大学の卒業制作で「土地にある素材で、職人によってつくられた器を使って食事をする場所」を設計していたのですが、その背景には「つくられた由来を知って愛着の持てるものを選び、大切に長く使い続ける」ことの価値を訪れた人に感じてほしいという願いがありました。
こうして、壊れてしまったものを修復してまた使うことで、10年前にそんな思いで卒業制作をした自分が、地続きでちゃんといるんだなと感じられた気がします。
割ってしまわないことが一番ですが、こうして修復して長く大切に使い続ける文化があること、それが自分でも手軽にできることはありがたいなあと感じています。
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