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ファッシアについての備忘録

 今「臨床ファッシア瘀血学」の原稿を少しずつ書き溜めているところなのですが、そうすると普段より「ファッシア」について考える時間も増えてくるので、またいろいろな着想が得られています。ファッシア瘀血学は(2)以降もなるべく毎週月曜日にアップしていこうと思うのですが、その着想的なことを少しメモしていきたいと思います。

※なるべく毎週月曜日にアップとは・・・
2021年1月からファッシア瘀血学シリーズとして
統合医療医・小池弘人の統合医療ブログ
投稿されていた内容です

 ファッシアは、皮膚と筋肉の間や、各臓器の連携、またミクロでは細胞ひとつひとつの間隙を埋める細胞外マトリックスなどを含む大きな概念です。」そのため、意味するところはかなり多様なのですが、特に皮下のファッシアについては、アナトミートレインなどで明示されているように、ほぼ経絡と解釈しうる特徴を持っています。これはまさに「経絡ファッシア論」と称しても良いものではないかと思います。
 ファッシア線維が引きのばされることで、そこに電子の流れが形成しうるというもので、それが「気」の本体ではないかとするものです。
 この辺りはマクロに引張されたときに限らず、ごくわずかな刺激が加わった場合でも、保江先生の量子医学的な見地から「結合水」を介して、情報が伝達しうるとも考えられます。まさにファッシアと量子論との接点となります。

 ここからさらに推論していくと、ホメオパシーとの関連性も示唆されてきます。つまり、ホメオパシーを秩序化された水分子を利用した「レメディ」の使用と考えると、いわば最適なレメディこそが、このファッシア上の結合水を理想的な状態に導くとも考えられます。
 この理論展開は、鍼とホメオパシーのミッシングリンクを解明するうえでも非常に興味深い視点を与えると思います。

 加えて鍼灸分野ではありますが、「刺絡」の特殊性を考えるうえでも独自の視点を提供するように思います。またサプリを含めた栄養の面からも、ファッシアへの影響は大きいことが推測されますし、とりわけビタミンCとの関連は、大量投与の場合も含めて、より密接な関係もありそうに思います。

 またこのファッシア論の一つの魅力は、漢方などを中心とした東洋医学的な診察方法にも大きく関連していそうなこともあります。
 特に「腹診」「背診」などは、これなしには考えられないように思いますし、漢方処方の決め手となる腹診所見なども、ファッシアの関連で考えていくと、新たな視点が得られるように思います。現在、とりわけ、柴胡剤の使用目標となる胸脇苦満などの肋骨弓下の硬さなどについては、ファッシアからの視点で、徒手的にかなり改善し、結果として漢方使用時に匹敵するような臨床的な感覚もあります。具体的には後日ご紹介しますが、呼吸法とファッシアへのマッサージを併用することで、大きな変化を与えることが出来るように感じています。

 そしてなによりこのファッシア概念の面白さは、統合医療の幅広い各論を、一つの軸によって論じることが出来る可能性にあるのです。

 備忘録的な目的で、概略をメモしただけなので分かりにくいのですが、ご興味ある方は、直接お聞きください。ファッシア瘀血学、これからぼちぼち書き進む予定ですので、よろしくどうぞ。

医者と薬を遠ざける「ふくらはぎ」習慣画像

医者と薬を遠ざける「ふくらはぎ」習慣 (SB新書)
小池 弘人 SBクリエイティブ 2014-06-17

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