カフェの課題図書を発表しましたが、がんに関してのみならず、最近はこうした基本概念から疑って、従来の問題をより深く理解しようとする書籍がちらほら見かけます。 トーマス・カウワン著『ウイルスは妄想の産物』もそのうちの一冊。こちらはウイルス一般の存在を否定しているわけではないので、やや題名が過激な印象がありますが、それ以外の視点として生物学全体に疑問を呈しているところは興味深いです。細胞説全体に対しての疑義なのですが、これは本書では触れられてはいませんが、臓器特異説、組織説、細
今週はジャングルカフェの開催日です。偶数月の第2木曜日、となります。今月の課題図書は徳島大学名誉教授の大橋真先生による『がんの真実』です。 趣旨としては「がん細胞」は仮説にすぎず、それをもとにした現在の治療体系には問題があるという主張。またこれに代わる「がん幹細胞」説の紹介と、そこにもある問題群。そもそもの「がん」という病態に対して、現在の理解でいいのかという根本を問う内容になっています。また、がんに限らず現代の西洋医学的思考に対しても大きな疑問を投げかけており、昨今のウ
雑誌「セラピスト」に当院と併設されています「身心工房リボン」が掲載されました。みんなで治るチーム医療の実践として、カラー4ページで掲載されていますので、当院の統合医療の在り方に関心のある方はぜひともご購読ください。 これまでの代替医療をしていれば統合医療という初期段階を越えて、多職種連携をメインに幅広い選択肢をとりながら、中動態的な姿勢で臨む新しい「統合医療」のカタチをお伝えできれば幸いです。 そうした雰囲気が少しでも伝わり、こうした医療のカタチに関心がもたれるように
がんの「種と土理論」に関しての考察を引き続いておりました。種としてのがん細胞のみに、焦点を当てていた従来の理論に対して、その母体(マトリックス!)となる「土」にも大きな役割があるのでは、と考える理論です。 この辺りの考え方としては、医学史における論争も無関係ではなさそうです。つまり病理の原因をどこに求めるか、ミクロの領域における原因探索の焦点の問題です。現代医療の直接のオリジンとしては、ウィルヒョウの細胞説であることはいうまでもありません。しかし、実はその前にビシャ―に
第2回マトリックス統合医学研究会のご紹介です。波動治療器QPAの効果検討と、それらの背景となるマトリックス医学の紹介と研究、情報交換を目的とした研究会になります。以下のように、開催予定です。どなたでもご参加頂けます。 2024年9月7日(土) 14:00~15:00(予定)「QPAを中心としたファシア・インターベンションの紹介」 15:00~16:00(予定)「ソマチッドサイクルとファシアデブリからQPAの作用機序を考える」 16:00~(予定)QPA体験会 お問い合
QPAの非特異的効果として、自律神経の測定をしているのですが、どうも効果が一定せず、ヒトによる差で大きくばらついていました。 QPA施術においては、気持ちの良い程度の刺激でよいとされ、その電気刺激の強度は、各人の快適な程度で自己コントロール可能な状態にしていたのですが、これによりかなり人による刺激の差が出ていることがわかりました。つまり快適と言っても、強めが良い人もいれば、弱めが良い人もいるし、同じ刺激でも強く感じる人、弱く感じる人、感度も様々です。 そこで特に、交感神
がんの遠隔転移を考える中で、気になったのが、固有筋層への腫瘍の到達です。 粘膜下層への到達により、血管やリンパを介して転移が生じるとしても、それがより激しくなるのが固有筋層の突破です。これはバリアとしての筋層に到達したように考えていましたが、もしかしたら腫瘍と筋層が接触することで、上皮間葉転換(EMT)といった質的な変化が生じ、それによって固有筋層そのものが変化してしまう、ということもあるのではないか。こうした質的な変化は何らかのシグナルによって遠隔に作用したら、EMTを
一連のコロナ騒動におけるPCRの問題点をいち早く指摘されていた大橋先生の「がん」の本が出版されたので読んでみました。かつての近藤誠『患者よ、がんと闘うな』を参考にしながらも、コロナ禍での様々な出来事を経過して考察された、新たな「がん」への視点が述べれています。 内容に関しては読んで頂くとして、記述はとても分かり易い書き方になっています。が、実際に臨床の場もしくは、研究の場に縁のない方にとっては、なかなか実感が涌きにくいのではないか、とも感じます。 エッセンスとしては「が
流し読み以降、ずいぶんと長い間積読になっていた「寄生虫なき病」を読了した。最近のマトリックス医学の体系をつくる中で、どうしても気になって再読したのだが、文字通り「寄生虫なき」状況において自己免疫疾患やアレルギー、果てには悪性腫瘍に至るまでの疾患が増加している不気味な状況に戦慄した。しかし、読了してもっとも印象に残ったのは、こうした状況が、最終部の「ヒト生物学」におけるパラダイムシフトを意味するという指摘の部分だった。 我々は、なにかターゲットになっているものに関して詳細
バタバタと休み前の雑事も終わり、夏期休暇期間に入りました。個人的には働いてはいるのですが、臨床や研究の方向性をゆっくりと見つめ直す期間になりそうです。 年末の統合医療学会に向けて、マトリックス統合医学研究会の展開を考察中です。波動治療器でもあるQPAの治療機転を考えているのですが、これまでの流れからソマチッドについての言及は避けられず、色々なモデルで考察してきました。以下、メモ的な記載ですが、ご興味ある方はどうぞ。 QPAなど波動治療器も含め、最近、理論だってきたの
マトリックスと層構造に関してのメモ。栗本慎一郎先生の言う、社会も文字通り生命体であるという主張と関連して、ケストラーの言う階層を考えると、それが彼の言うホロンの階層構造であるホラーキーであるならば、我々のレベルでは、そのプログラムにあたるものは実体として理解できないに違いない。 つまりもう一層の上の階層での論理が必要であって、同じ層内のみでは説明不可能となる。これは図としての組織細胞の制御が、地としてのファシア、つまりマトリックスの論理を用いなければ理解できないという事情
夏期休暇のお知らせです。とてつもなく暑い日が続いております。皆様、お身体ご自愛ください。 8月11日~16日、クリニックは休診となります。この間は電話での受付対応もしておりませんので、ご注意下さい。予約の変更等は、それ以前にお早めにお願いいたします。 いよいよ8月からマトリックス統合医学研究会が始動します。波動治療器QPAにくわえ、光学顕微鏡・暗視野顕微鏡にて血液像を観察しながら治療効果を確認していきます。あわせて、自律神経の測定(HRV/APG)も行いますので、こ
これまではあまり、ソマチッドなど顕微鏡関連の代替医療的なモノには首を突っ込まないできたのですが、昨年から光学顕微鏡観察を刺絡臨床に取り入れたのを機に、いろいろと考えるようになりました。とりわけ今後はマトリックス研究会において、ウィスマーさんの暗視野顕微鏡を取り入れますので、具体的な実感を得られるのではないかと思っています。 通常医学のワードとしては、ソマチッドはまともなものとして取り上げられないモノの筆頭になるかもしれませんが、代替医療界ではスーパーヒーロー的な存在。
今週末は、統合医療学会の栃木大会のプレ開催企画が宇都宮にて開催されます。12月の本大会の紹介的な講演が多いようです。当院からも私を始め、セラピストの三村さんが発表を予定しています。 今回の栃木大会は、実行委員として名前を連ねているのもありますが、シンポジウムの企画として「多職種連携」、松井先生との協同企画の「コラーゲン・ファシア・線維化」、市民公開講座での甲野善紀先生の招聘、など、色々とお伝えしたいもの目白押しです。 加えて、甲野先生よりご紹介いただいた岡田先生による「
前回のジャングルカンファレンスでは、難しい患者(クライアント)さんの対応について話し合いました。 難しいといっても、色々な意味合いがあるので、この回では、自分の提案する方針を受け付けてもらえない場合、敵対的な場合にテーマを絞りました。 提案を受け入れないという場合にも、実に多彩なパターンがあり、当然、答えがでるような問題ではないのですが、そもそもが何らかの相手の「抵抗」を引き出しているということが少なくない、という流れになりました。 この抵抗という概念も、なかなかに
週末はマトリックス統合医学研究会の第1回が、日本統合医療センター(JIMC)にて開催されました。急な開催予告にも関わらず、ご参加頂いた皆様には深謝いたします。 QPA(AWG)を取り扱うアジアス社の永田社長の多大なるご協力により、第1回が無事開催することができました。ファシアの基本知識の解説から、マトリックス医学におけるQPAの意義などを入門的に解説し、幅広いこの分野の広がりを理解して頂く第一歩になったのではないでしょうか。 今後は、マトリックス医学の諸方面での研究に