第29椀 氏政の汁かけ飯
初出:2016年8月8日
<お味噌汁> ひと椀がつむぐ大切なもの それは日本のたから
戦国武将と味噌シリーズその8
「氏政の汁かけ飯」
「戦国武将と味噌」シリーズ。今回は「汁かけ飯」が好きだったという北条氏政のお話です。
氏政と汁かけ飯にまつわる有名な逸話が、氏政がご飯に汁をかけながら食べている時、一回目でかけた量では足らなかったので、汁を二度かけているところを父氏康が見て、「毎日食べているのに一回で必要な汁も量れないとは。このようなものに国や家臣のことを推し量ることが出来ようか」…と落胆したというものです。氏政は名家である北条を潰した張本人として、印象のよくないエピソードが多いのですが、これもそんななかのひとつですね。
この汁かけ飯でかけている汁とは、まだ醤油がなかった時代なので、お味噌汁かすまし汁(塩味)だったと思いますが、いろいろ書かれているものを読みますとお味噌汁だという解釈が多いようです。汁は熱かったのか冷たかったのか?まではよくわかっていません。もしかして冬は熱く、夏は冷たかったんでしょうか?想像すると楽しいですね。冷たいお味噌汁をごはんにかけて食べるのが、九州地方でよく食べられている冷や汁の原型なのだそうです。
ワタシが汁かけ飯と言って思い出しますのは、学校から帰ったあとにお腹が空いていたりした時、おやつがわりに朝の残りの冷たい味噌汁を冷やごはんにかけてお茶漬けのようにして食べていたことです。この食べ方は「ねこまんま」などと呼んで、お行儀の悪い食べ方だというご家庭もあるとは思います…が、これは「ごはんが具のお味噌汁」なんです…などと言い訳する意味でも、お茶碗にお味噌汁を注ぐのではなく、あえて汁椀で作ってみました。小さなこだわりですが…。
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「氏政の汁かけ飯」
出汁:煮干し
具材:ナス、ミョウガ、ごはん
味噌:手前味噌(米麦混合麹)
朝は普通に熱いものをいただき、お昼に残りの冷めたお味噌汁を注いで作りました。暑くて台所に立ちたくない日のお昼などに、こんな簡単なもので済ましてもいいですよね~。
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