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第89椀 夏のから汁

初出:2021年8月10日

<お味噌汁> ひと椀がつむぐ大切なもの それは日本のたから

「お味噌汁復活委員会」は、味噌汁の大切さをあらためて発信していこうと、2014年夏にFacebookページにてスタートしました。世話人、お味噌汁復活ライター、一般読者が思い思いの味噌汁を投稿しています。

味噌汁の出汁・味噌・具材を、それぞれに深く楽しく考え広め、毎日の食卓に味噌汁をいただく習慣を復活させるべく、活動の場を広げています。

私コイタは第1期からお味噌汁復活ライターをさせていただいております。ここでは私の書いた記事をまとめて紹介しています。

テーマ『夏のお味噌汁の工夫』
「夏のから汁」


自分で豆腐を作ったことがある方だとわかると思いますが、「おからってこんなに出来るの?」って言うほどたくさんできるんですよね。それに、売っているおからは機械でパサパサになるまで搾れますが、手作りの場合はまだ豆乳が搾りきれずにしっとりしています。これでポテサラ風おからサラダや、おからコロッケなどを作ってもおいしいのですが、お味噌汁にするのもコクとトロミが出て、何より簡単でいいものです。もちろん買ったおからでもじゅうぶんおいしくできます。

おからのお味噌汁は以前『寒い日におすすめしたいお味噌汁』というテーマで紹介しましたが、今回真逆の『夏のお味噌汁の工夫』で、え~と、つまり年中食べてるってことですね。

おからのお味噌汁は、江戸時代には「から汁」と呼ばれていまして、遊郭からの朝帰り客を目当てにした「夜明かし」という居酒屋で出されていたそうです。書物にも酒のアテに良い汁として紹介され、二日酔いに効くとも信じられていたようです。

出汁は鍋に水を張って、スライス乾シイタケ、昆布を細かく刻んで、入れて弱火にかけます。そこへ夏に盛りのズッキーニやトマトをお好みの大きさに刻んで入れて行きます。大きくなったズッキーニは、煮込むと冬瓜みたいになって、これもまたおいしいんですよ。おからはそのままでもいいですが、すり鉢ですって入れますとよりトロミがつきますし食べやすいです。具材が煮えてきたらお味噌を溶き入れて完成です。夏はちょっと濃いめにしています。

暑いからと、あっさり、さっぱりしたものばかりになりがちですが、なんだか力が出ませんよねぇ。「から汁」は動物性のものも油ものも入れていませんが、なかなか濃厚なお味噌汁になって、食べ応えがありますよ。

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「夏のから汁」
具材:おから、トマト、ズッキーニ
出汁:スライス乾シイタケ、刻み昆布
味噌:手前味噌(米麦混合麹)


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