『ゲイのともだち』は、 なぜ存在する? 【海外ドラマあるある】
海外ドラマを見ていると
『ゲイの友達』がよく出てきます。
彼らの多くは、
主人公の良き理解者であり、
『多くの場面で主人公の心の支えになってくれる』
といった存在です。
●主人公が大きな決断をしようとしているとき
●主人公が落ち込んでいるとき
●主人公が成長しようとしているとき
そんなときゲイの友達は、
『いつでも頼っていいのよ?』
『いい女になったじゃない!』
『あんたなら、できるわよ!』
といつも背中を押してくれます。
そんな彼らは
『ドラマという架空のストーリー』に『何故、必要』なのか?
リアルな生活の中にある感覚
と比較しながら考えてみます。
この記事は、
セクシャルマイノリティの方を
一方的に批判するようなものではありません。
あくまでも
『海外ドラマによく登場するゲイの友達って
なんであんなに登場頻度高いのかな?』
という疑問についての考察です。
■1. 主人公とは『ちょっと違う存在』を求めている
主人公というのは、
視聴者が最も共感し、
感情移入する対象です。
したがって、
主人公というのは、
●汎用であればあるほど
●迷っていればいるほど
●不器用であればあるほど
●失敗すればするほど
●繊細であればあるほど
『視聴者の共感』を生みます。
海外ドラマでも
日本のドラマでも、
アニメでも
小説でも
架空のストーリーに登場する主人公というのは、
最初は汎用で特別な取り柄があるということもなく、
『超普通』な人であることがほとんどです。
アメコミのヒーローのように
最初からスーパーパワーを持っている場合もありますが、
ヒーローたちは
ほとんどの場合で
普通の生活も送っています。
『普段の生活と
ヒーローとしての活動の
両立に悩む』
なんていうシーンは
アメコミ業界では
何度も登場する王道シーンです。
そんな風に
主人公というのは、
私達が普段感じているような
とてもポピュラーなことについて悩み、
苦悩や葛藤を乗り越えようとします。
そう、主人公というのは
『あるあるの象徴』
であるわけです。
そうした共感力が主人公の魅力であり、
共感性が高い主人公というのは
とてつもない人気を獲得します。
じゃあ、架空のストーリーには
「共感性の高い主人公がいれば、それだけでよいか?」
と言われるとそうではありません。
そこで必要なのが
主人公とは『個性の違う人物』です。
リアルな生活でも
仲良くなる友達というのは
『共感できるな』と思える要素を持った人でしょう。
一方で、
そうした友達は自分と全く同じかと言われれば
そうではないはずです。
その友達は、
自分とは違った個性や趣味を持ち、
自分とは違った価値観もあるはずです。
それでも、
趣味が共通していたり、
会話のテンポが自然と合ったり、
無理せずに楽しさを感じられたり、
といった要素を持っている人と
仲良くなっていきますよね?
そうしたリアルな生活でも感じられる
共感できる友達がドラマにも登場します。
とは言いつつ、
視聴者はワザワザ
ドラマという架空のストーリーを見に来ているわけです。
となれば、
普段の生活で会うことのできないような人物
が登場していないことには
物珍しさがありません。
リアルな自分の生活と全く同じものを見ていても
そこに希少価値はないからです。
また、ドラマには時間制限があります。
1話あたり1時間程度の話が、
何話かに渡って繋がっているに過ぎません。
したがって、
限られた時間の中で
爆発的な個性を印象づける必要があります。
そうした
主人公との共感性があり、
でもちょっと違った価値観を持っていて、
見た目や口調に非日常的インパクトがある
という存在を
『ゲイの友達』として描くと
とても都合がいいのだと思います。
誤解を恐れずに書くとすれば、
ドラマに登場するゲイのイメージは
●ハッキリとした物言い
●自分の個性を隠さない
●姉御肌兄貴肌で面倒見がいい
といったイメージです。
こうした
短時間でも印象に残る
主人公と親しい関係にいる人物
というのは、
視聴者の注目を集める要素です。
また、
主人公以外の人物の生活
を描く場合にも
物珍しさを感じやすいのではないでしょうか?
今、YouTubeでは
『ルーティン動画』
が流行っていますが、
あのジャンルの動画の需要は、
『自分とは全く違う仕事や行動をしている人って
普段どんなことをして過ごしているんだろう?』
という興味にあると思います。
そうしたルーティン動画を見るような感覚で
ゲイの友達の日常
というのにも興味が湧いてくるのだと思います。
ゲイの友達はそうやって
『主人公とは違う』からこその『存在意義』
があるのだと思います。
■2. 『ポジティブなマイノリティ』が元気をくれる
主人公はよく悩み、多くの葛藤を乗り越えます。
ドラマはそうやって
主人公が落ち込んだり失敗したりしては
その後、劇的に成長する
といった過程を見て楽しむものです。
主人公達が抱える悩みの多くは
『自分は正しいのだろうか?』
といったモヤモヤです。
●他の人とは違った自分のなりの個性を見つけたい。
●好きなあの娘に振り向いて欲しくて、特別なことをしたい。
と行動している中で
多くの失敗を経験します。
『なぜ自分ばかりがこんな目にあうのか?』
といった
自分だけが取り残されているような感覚や
うまく行っている人と比較して生じる劣等感
に心苦しさを感じるわけです。
そんな風に人間は、
『自分なりの個性を持ちたい』
と思いつつ、
『社会の中で少数派ではありたくない』
という
なんとも自分勝手で自己矛盾を抱えた願望
を持っています。
言い換えれば、
マイノリティということに対してネガティブなのです。
一方、
ゲイの友達はどうでしょうか?
ゲイというマイノリティであるにも関わらず、
元気ハツラツとしていて、
自分のセクシャリティも隠さずにオープンな態度を取っています。
自分という個性を
全く疑うことなく
行動しているのです。
迷っているときの主人公のような
自分の個性の正しさに疑いを感じている人が
ポジティブなマイノリティであるゲイの友達を見ると
『彼はマイノリティであるのに明るいんだな。』
『マイノリティになったとしても、案外大丈夫なのかも知れない。』
『自分も彼のようになろう。』
と思えるのです。
私達の普段の生活でも
ずーっとモヤモヤと悩んでいたのに、
ひょんなことから
立場の違う人に相談してみたら
『あれ?なんか意外とうまくいくかな?』
と思えた瞬間はないでしょうか?
そうした
『自分の想像や予想の範疇を超えた存在』
というのは、
時として
『勇気や元気を与えてくれる』のです。
それがドラマでは
ゲイの友達
として表現されているのでしょう。
■3. 『恋愛に発展しない』という安心感
リアルは生活の中でも
かなりの頻度でトラブルになるのが
『男女の関係』です。
●浮気
●不倫
というのはいつの時代になってもあるもの。
実際に自分が知っている人物が浮気や不倫をしていた
なんて人も多いのではないでしょうか?
そもそも、
人間の3大欲求が
●食欲
●睡眠欲
●性欲
です。
食欲は栄養を体内に取り入れるために必要。
睡眠は高度な思考力を発揮するために必要。
性欲は子孫繁栄のために必要。
というわけです。
人間は高度な知性を持った生き物です。
そう、『生き物』なのです。
したがって生き物すべてが持つ、
子孫繁栄という本能を持っています。
ですから、
浮気や不倫のように
自分の結婚相手や恋人とは別の異性と
関係を持ちたい
多くの異性と関係を持って
子孫を残せる確率を増やしたい
と思うことは至極当然のことです。
ですから、
男女混合のコミュニティで
恋愛が全く発生しないというのは
ありえないです。
しかし、
対面する相手が異性であっても
セクシャリティの向け先が違っていれば
どうでしょうか?
たとえ
女性の主人公の目の前に
ゲイの男性が現れても
性的な関係になることはありません。
そんなリアルな生活の中でも
最もあるあるな
男女関係のトラブルが全く起きない
というのは、見ていて安心できます。
ゲイの友達であれば、
下手な恋愛感情を抱かなくてもよい
というのが、
男女関係を生み出さないことに繋がっています。
そうやって
恋愛感情といった
気にしてしまいがちなことを
感じさせない人物
というのは、とても相談しやすい存在です。
『主人公または視聴者の安心感の拠り所』
となってくれるのが
ゲイの友達
ではないでしょうか?
■ 『違う価値観の人と話す』=『学ぶ』
今回は
海外ドラマによく登場するゲイの友達って
なんで存在するのか?
ということを考察してみました。
視聴者の考える
『かゆいところに手が届く存在』
というのが
『ゲイの友達』
なのかもしれません。
普段の生活でも
自分とは違う価値観だけれど
一緒にいると楽しいし学ぶことも多いな
と思える人とは
ドンドン仲良くなっていきますよね。
ドラマの中だけではなく、
リアルな生活の中でも
何でも相談してしまう信頼できる友達
が1人いるだけで
人生が楽しくなります。
皆さんの身の回りにも
そんな人っていますか?
もし、今いるなら超幸せ者ですね。
今は居ないという方も
これから見つければいいだけの話です。
そして、
海外ドラマに出てくるゲイの友達のように
周りの人に優しく
でも自分には素直に
生きていこうと決心しました。
という気持ちを書き出して
筆を置きます。
お読みいただきありがとうございます。