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いかにしてアイデアを逃さないようにするか
こんにちは、ミネソタより、コーイチがお届けします。
前回の記事で、文献や資料の管理はiPhoneデフォルトのメモ帳でも十分できることをご紹介しました。では、アイデアはどのように管理すればよいでしょう。
アイデアのメモ
ふとした時に湧いて出てくるのがアイデアです。僕は思いつきを思いつきで終わらせないように、必ずメモしておくようにしています。そうしないと、思いつきというのは固定化された記憶ではないことがほとんどで(これをワーキングメモリとも言います)、脳はこれをすぐに忘れてしまうものです。
そんな時、さっとスマホのメモ帳を開いてメモしましょう。そうすれば後で必要な時に検索して思い出すことができます。
だからやっぱりここでもiPhoneデフォルトのアプリ、メモ帳です。
おすすめのメソッド
そしてアイデアを逃さないためには、赤羽雄二さんの著、「ゼロ秒思考」
に書かれている1分でアイデアをまとめるメソッドがものすごくおすすめです。
誰かに質問されて答えに詰まったり、自分の考えが浅いことに嘆くことってよくありませんか?(僕はある笑)
アイデアをうまく管理していると、こういったことに素早く答えたり考えをすっきりさせることにつながるんです。
ここではざっくり言うと、
A4の紙を用意して、テーマの見出しを書いたら、あとは1分間と時間を決めて、思いつく限りに頭の中に浮かんだ言葉をバーッと書き出してしまう
という手法です。
これを1日10回くらいやります。テーマは今取り組んでること。今悩んでること。ニュースで聞いたこと感じたこと。なんでもアリです。
1分アウトプットのメリット
1分って実は文章を書くにはかなり短い時間です。最初のうちは1行とか、ほんの数行しか書けないと思います。それでも続けて行きます。とにかく、誰に見られるわけでもないですし、とにかく何か書き出すことがポイントです。
そうすると、その時の思考が記録として残っていきます。しかも、吐き出すことで言語化される上に、「以後それを覚えておかなくていい」という気持ちの開放感もあります。
これを繰り返すと、頭の中にある情報をアウトプットする速度が上がっていきますし、言語化する、という練習ができます。これが、「ゼロ秒思考」です。
そしてたまに、そのメモを開いて文字数をカウントしてみてください。
気づいたら、アイデアが物凄い量になっています。1日10分やるだけで、毎日のアイデアがどれだけ捨てられていたか、気づけるはずです。
1分メソッドがアイデア管理に良い理由
このメソッドがアイデアの管理にものすごく良い理由がもう一つあります。
それは、「何度も同じことを考えている自分に気づけること」です。ある時、頭を空っぽにしながらひたすら書いていると、前もこれ書いたよなとか、同じことしか出てこない…っていうことが出てくるんです。その時こそ、インプットすべき時であったり、思考のループから抜け出せていないんだなと、客観視することができます。これが実はものすごく重要です。悩んだりしている時って、考えがループしているだけの時なんです。アイデアを出したい時にそれはあまりいいことでないでしょう。
僕はA4の紙ではなくてアプリのメモ帳を使っています。なぜなら、検索できる、手軽に見返せる、そして溜め込んでも紙と違って場所をとらないからです。
そこで重要なことがあります。1週間とか1ヶ月間同じページを使って書き繋げて行き、一定期間後にページを切り替えるんです。
つまり、ある程度書き溜めるということになります。
そして少なくともページを変えるたびにざっと過去のメモを見返します。なぜそうするかというと、自分の記憶にアイデアを定着させるためですね。
書き溜めていると以前のメモが目に入る瞬間ができますし、さらに期間を区切ることで一定時間ごにメモを見返すことができます。メモを見返すというのは僕にとってはとても重要な作業で、それには理由があります。
時間をおいて思いだすべき
心理学者のヘルマン・エビングハウスというが報告した、忘却曲線というものが有名ですがご存じでしょうか。この研究自体は1880年代のもので、いくつかツッコミの余地もある研究ですが、中・長期的な記憶のメカニズムを理解する上で面白い研究です。
行われた実験は、アルファベット3文字の無意味な文字をいくつか記憶してもらって、後で思い出してもらう、というシンプルなものです。
もちろんすぐに忘れてしまうので、覚えられるようになるまで記憶してもらいます。それにかかった時間を測っているんですけど、時間と共に、日に日に、記憶するために必要な時間が減っていきます。これは反復して記憶しているからですね。逆に、1日の中では急激に忘れてしまうという結果になっています。つまり、1日で覚えるのは困難だけど、数日反復していると一気に覚えられる可能性が高まっていくということでもあります。
結果としてこの忘却曲線からわかることは、「時間をかけて何度か分けて反復して学んだ方が、学習効率は上がる」ということです。
忘れた頃にアイデアを見返すことで、忘れていたことに気付き、記憶に定着し、さらに新しいアイデアと結びつけたりできるわけです。
このルーティンを繰り返していると、自分の考えも明確になっていき、言語化もできるようになり、頭がすっきりしていくので、ものすごくおすすめです。
毎日1分の書き出しタイム、ぜひ試してみてください!
あとがき
僕はパソコンを使ってメモ帳アプリにこれをやっていますけど、人によっては手を動かして文字を書いた方がいい、という方もいらっしゃるでしょう。僕も、記憶に定着させるための勉強であれば、五感を駆使できる”手書き”にしています。つまり、方法は自由でいいと思います。大事なことは、アウトプットすることです。