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甘く見てはいけない生活習慣病

生活習慣病なんて大した病気じゃないと思っていませんか?
むしろ病気とも思っていないという人も中にはいると思います。
令和4年の「東京都主要死因別割合」を見ると、「がん、心疾患、脳血管疾患」の3大疾病での死因割合は約46%という数値になっています。
つまり約半数が生活習慣病を起因とした病で命を落としているということです。
こう聞くとちょっとやばいな・・・と思ってきましたよね?
今回はそんな生活習慣病にならない為の基礎知識を5分で分かるように記事にしています。



■生活習慣病とは?

まずは基礎知識として「生活習慣病とは何なのか」について見ていこうと思います。生活習慣病とは、”生活習慣がその発症と進行に関与する病気のこと”をいい、その主の要因としては、偏った食生活や運動不足、睡眠不足やストレス、喫煙、過度の飲酒などが挙げられます。
その名の通り、生活習慣を起因した病気のことを指していますが、昔は成人病と呼ばれていた時代もあり、40歳~60歳くらいの発症率が多い病気とされていました。
良く耳にする3大疾病と言われる病気も生活習慣病の一部で、「がん、心疾患、脳血管疾患」のことを指しています。
これ以外にも糖尿病、高血圧、肝疾患、腎疾患など4つの病気を加えて、7大生活習慣病と呼ばれることもあり、日本人の死因の過半数以上がこの生活習慣病によるものだと言われています。


■生活習慣病の原因

ではこの生活習慣病になる要因とされるものには、どんなものがあるのでしょうか?

①運動不足

厚生労働省の調査によると、20歳以上で運動習慣がある人の割合は男性で約30%、女性で約20%台で決して高い数字とはいえません。
また運動不足による心臓病と糖尿病による死者は年間20万人以上と言われていて、運動不足は生活習慣病を引き起こす大きな要因となります。

②睡眠不足

睡眠不足の状態にある人は糖尿病や心筋梗塞や狭心症などの生活習慣病に罹りやすいことが明らかになっています。
また睡眠不足は日中の眠気や意欲低下などストレスを抱える原因にもなり、ホルモン分泌にも影響を与えることから食欲が増大し、肥満の原因にもなります。また睡眠時間は、短すぎても長すぎても死亡率が上昇するので、適正な時間、睡眠をとることが必要です。

③肥満

肥満は、高血圧、脂質異常、糖尿病、肝疾患などあらゆる生活習慣病の原因になり得ます。
一般的に肥満とはBMI値で判断をしますが、WHO(世界保健機関)ではBMI値30以上が肥満と判定され、日本ではBMI値25以上が肥満とされます。
日本の基準はWHOよりも厳しい基準となっていますが、日本人はBMI値が25以上になると糖尿病、脂質異常、高血圧などの合併症の発生率が高くなることから、BMI値25以上を肥満と判定しています。

④喫煙

1日20本以上の喫煙を続けている人は、心筋梗塞などの虚血性心疾患に罹る可能性が、非喫煙者と比べ約50%も上昇します。
また、たばこには多くの発がん物質が含まれていて、肺がんだけではなく、口腔・咽頭がん食道がんや胃がんなど、さまざまながんとの関係も指摘されています。これら疾患のリスクは喫煙本数が多いほど高まりますが、20本から1本に減らしたとしても、その害はようやく半分程度にしか軽減しないといわれています。

⑤過度な飲酒

お酒は少量であれば体にいいと言われていますが、過度の飲酒はさまざまな病気の原因となります。
血圧の上昇、血糖値の上昇、脂質異常や脂肪肝など、生活習慣病とも深く関係しており、また過度な飲酒は生活習慣病だけでなく、脳が委縮して起こるアルコール性認知症へのリスクも高めることが知られています。アルコールは適正な酒量を守り、摂取頻度を抑えることが病気を予防するうえでとても重要になります。


■あなたは大丈夫?生活習慣病の基準とは?

生活習慣病になる原因については解説した通りですが、では今の状態が生活習慣病かどうかの判断をするにはどうしたらいいのでしょうか。
前述のとおり、生活習慣病とは生活習慣に起因するあらゆる症状を含んでいるため、ここでは分かりやすく数値化できるものをご紹介します。

①メタボリックシンドロームの判定基準について

メタボリックシンドロームは以下の診断基準で判定できます。

出典:e-ヘルスネットより引用

メタボリックシンドロームは自覚症状がほとんどなく、気づかない間に症状が進んでいく危険性があります。ある日突然、心臓発作や脳梗塞を発症するといった場合もあるので、自分がメタボリックシンドロームかどうかを事前に理解しておくことがとても重要になります。

②高血圧の判定基準について

高血圧の判定基準は以下の通りです。

【診療室血圧の場合】
高血圧:収縮期血圧 140㎜Hg 以上かつ/または
    拡張期血圧   90㎜Hg以上
※病院での計測する場合、家庭で測定するよりも高い数値が出る傾向があります。

【家庭血圧の場合】
高血圧:収縮期血圧 135㎜Hg 以上かつ/または
    拡張期血圧   85㎜Hg以上

高血圧はアメリカでサイレントキラーと呼ばれていて、日常的に血圧を測定をしなければ高血圧ということに気が付かないことがほとんどです。
高血圧の状態を放置しておくと、知らない間に高血圧症を起因とした動脈硬化が進み、脳血管疾患や心疾患に繋がるリスクが高まります。
定期的な血圧の測定を行い、自分の状態を知ることが重要です。

③脂質異常の判定基準について

脂質異常とは、血圧中のLDL(悪玉)コレステロールと中性脂肪が増加し、HDL(善玉)コレステロールが減少した状態のことを言います。

【脂質異常の診断基準】
・LDL(悪玉)コレステロール 140mg/dL以上 ➡ 高LDLコレステロール血症
・HDL(善玉)コレステロール 40mg/dL未満 ➡ 低HDLコレステロール血症
・中性脂肪(トリグリセライド) 150mg/dL以上 ➡ 高トリグリセライド血症

先述したメタボリックシンドロームと高血圧と同様に、脂質異常についても初期では自覚症状がほとんどないことが特徴です。脂質異常は動脈硬化や脳血管疾患、虚血性心疾患のリスクを高めます。


■今日からできる予防策

生活習慣病という名前の通り、生活習慣病を予防するためには、日々の生活習慣が規則正しいものになっているかを見直す必要があります。
ここからは生活習慣病を予防するために、どんなことに気を付ければいいのかについて解説をしていきます。

①食習慣の見直し

生活習慣病を予防するには3大栄養素である、炭水化物、たんぱく質、脂質をバランスよく摂取することが重要になります。

1日の総摂取エネルギーのうち、脂質の割合が30%を超える生活を続けると、生活習慣病を発症しやすくなると言われています。
偏った食習慣になっていないか、栄養バランスを今一度見直してみましょう。また腸内環境の改善や肥満予防の効果が期待できる食物繊維を摂取することも、生活習慣病を予防するうえでは有効だと言えます。

【食習慣の改善ポイント】
・バランスの取れた食事をとる
・適切なカロリーを摂取する
・減塩する
・1日3食とる

②運動習慣を身に付ける

現代人は交通機関が整い便利になった一方で、総じて運動不足であると言えます。運動不足は健康を損なうリスクがありますが、運動を継続することは、身体機能を維持し、筋力の低下を防ぎ、メタボリックシンドロームを含めた様々な生活習慣病の発症リスクを低下させることが期待できます。
ウォーキングや水中運動などの有酸素運動は脂肪燃焼に適しており、体への負担もそれほど高くないので、運動初心者でも気軽に始めることができます。まずは小さく、少しづつでも良いので運動習慣を身に付けていきましょう。

【運動のメリット】
・身体機能の維持
・筋力低下の防止
・生活習慣病の発症、進行の抑制
・エネルギー消費

③睡眠習慣の改善

睡眠は生活習慣病の危険因子となる肥満への関係も深く、慢性的な睡眠不足は生活習慣病の発症に大きく影響します。
今、睡眠が足りていないと感じているなら睡眠を妨げる生活習慣を改善し、適正な睡眠時間を確保し、質の高い睡眠をとることを心掛ける必要があります。

【睡眠を妨げる習慣】
・寝る時間、起きる時間が不規則
・就寝前に明るい部屋で過ごす
・就寝前にパソコンやスマホ操作をする
・就寝前2時間以内に食事をする
・コーヒーやお酒を多量に摂取する
・夜更かしをする


■まとめ

今回は「生活習慣病の予防」について取り上げました。人生100年時代と言われていますが、平均寿命ばかりにフォーカスが当たり、健康寿命を気にしている人は少ないのではないかと思います。
仕事や遊び、なんにでも言えることですが、健康はすべての土台になるものです。これから先の長い人生、楽しく、充実したものにするためには、今一度自分の生活習慣を見つめ、健康的な習慣を身に付けて、病気に負けない体づくりが必要です。今回の記事が少しでも、あなたの健康生活に役立てば幸いです。


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