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2002年 日本数学オリンピック本選 第1問 解答例

円$${C_0}$$の周上に相異なる3点$${A, M, B}$$があり、$${AM=MB}$$が成り立っている。直線$${AB}$$に関して$${M}$$と反対側の弧$${AB}$$に、点$${P}$$をとる。円$${C_0}$$に点$${P}$$で内接し、弦$${AB}$$に接する円を$${C_1}$$とし、$${C_1}$$と弦$${AB}$$との接点を$${Q}$$とする。このとき
   点$${P}$$のとり方によらず、$${MP}$$と$${MQ}$$の積$${MP\cdot MQ}$$が一定である
ことを示せ。ただし、2点$${X, Y}$$に対し、線分$${XY}$$の長さを$${XY}$$で表すものとする。

公益財団法人 数学オリンピック財団HP   第12回(2002年)JMO本選の問題

考え方:

数学オリンピックの図形問題としては基本練習といえる問題です。
$${M, P, Q}$$が同一直線上にあることを示しましょう。
(慣れている方には自明かもしれません)
これと円周角を上手く使えば、割とあっさり示せます。

前提知識としては中学レベルですので、臆せず挑戦してみるのがよいと思います。

解答例:


$${C_0, C_1}$$の中心を$${O_0, O_1}$$とする。
$${P}$$は$${C_0}$$と$${C_1}$$の接点であるから$${P, O_1, O_0}$$は同一直線上にある。
$${O_0P}$$と$${O_1Q}$$はどちらも$${AB}$$に垂直であるから、
$${\angle MO_0P = \angle QO_1P}$$である。
また、$${O_1P = O_1Q, O_0P = O_0Q}$$であるから、
$${\triangle MO_0P}$$と$${\triangle QO_1P}$$ は相似である。
よって$${\angle O_0PM = \angle O_1PQ}$$であり、
つまり$${P, Q, M}$$は同一直線上にある。

円周角の定理より$${\angle MPB = \angle MAB}$$であり、
$${\angle MAB = \angle MBA}$$であるから、
$${\angle MPB = \angle MBA = \angle MBQ}$$ 
である。よって$${\triangle MPB}$$と$${\triangle MBQ}$$は相似であり、
$${MQ\cdot MP = MB^2}$$を得る。
$${P}$$のとり方に拠らずこの値は一定である。

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