入社式 新しい職員を迎える 病院広報は何を求められる?
各地で入社式のニュースが多くなりましたね。 皆さんの働く職場でも新人さんが増え業務の引き継ぎや研修など 忙しい時期ではないでしょうか。入社式は人事の仕事というイメージも強いですが、広報を活用することで人材の定着や、院内のコミュニケーションの活性化につなげることができます。
院内広報誌特集号 1000人に届け!
私が勤めている病院では、院外広報誌(いわゆる外向けの広報誌)の他に院内広報誌(いわゆる社内報)が存在します。今回はそんな 院内広報誌のお話です。院内広報誌は、取材から編集、デザインまで、全て自前で広報はもちろん多職種が関わる広報委員会が発行を行っています。
新入職員が入社してくるこの4月は特集号として法人約1000人にこの広報誌が配布されます。ポータルサイトなどでデジタルで共有もしていますが普通の企業と違って現場で働く人たちがおり、なかなか全員がパソコンの前に座って情報を得るということが難しい環境にあります。
そのため特集号となる4月だけは、全職員に紙で配布しています。新入職員を主役にした特集号は、私の企画ではじめました。それまでは新入職員に全員にフューチャーした広報誌というのはなかったように思います。
実はこの特集号を作るには結構な労力がかかっていますが、これだけはしっかり大切にと思って取り組んでいます。広報に携わる方はご存知の通り、4月というこの節目は様々な対外的広報物が更新される時期でもありかなり制作物が忙しいです。
それでも新入職員が私たちの組織を選んできたということや、人生の節目である就職というのは大きな決断でもあります。新しい仲間を受け入れる姿勢というのは 組織としても大事にしていきたいものです。なるべく早く馴染んでもらえたらという気持ちと、コミュニケーションのツールとして使ってもらえたら嬉しいです。
新年度は、トップのビジョンを魅せるチャンスの時
私が広報に携わるようになって 常日頃を考えていることは ビジョンがない職場で働くことは難しいということです。例えば、京セラの創業者で日本航空の再建を行った稲盛和夫さんの著書「経営12カ条 経営者として貫くべきこと」の中にも社員にビジョンを示すことが重要であることが何度も何度も出てきます。
なぜビジョンが大事なのでしょう?
人間は目標や、やりがいがなければ働き続けることはとても難しいです。残念ながら今の日本には、なかなか給料が上がらずましてや 子育てもしにくい、ジェンダーへの理解も乏しい。結婚や子供を産むということについてもネガティブなイメージが強い国になってしまってると思います。そんな社会で夢を抱くことはとても難しいことだと思います。
自分たちの生活ですら不安に感じる毎日を過ごす人も多いかもしれません。家庭に不安を感じることが強い場合、やはり働く職場にも不安を感じることが強いはずです。
でもそんな状況だからこそ、組織が低迷をしていたとしても、ビジョンを魅せる、エールを送る、背中を押す言葉は職員を動かすためにも必要な広報なのではないかと考えます。不安な時こそそのような自信や、活力を与える言動、行動が働く人に勇気や安心をもたらすのではないでしょうか。こんな時だからこそここで働くあなたを大切に考えているという気持ちを伝えることは非常に重要な行動だと思います。苦しい時こそ中の広報が重要です。
不安というのは磁石のように色んな人を吸い寄せていく。社会の風潮に敏感になるということは大事なことですね。
4月という新年度の迎えるこの節目は、新入職員はもちろん、今働いている職員にも組織のビジョンを伝えるチャンスの場だと思います。是非、そのチャンスを逃さず前向きなメッセージをその組織にあった効果的な方法で伝える手段を考えていきましょう(^o^)