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色々な人の想いが入った”うますぎるスープ”
こんにちは、今日は前々から楽しみにしていた劇場版孤独のグルメを見にいきました!
私は家族で12年の放送開始当時から孤独のグルメを見続けているぐらいのファンです。ですが、私の両親は「いつもテレビでタダで見れるのにお金を出してまで観に行く作品か?」という感じで見にいきませんでした。
私はこういった孤独のグルメの醸し出す温かい雰囲気の作風が大好きなので今回、劇場で見ることにしました。
結果、とても満足した作品です!!!
ゴローちゃんがお客さんから無理なお願いをされたり「腹が…減った」といういつものセリフが出てくるところなどテレビドラマそのものの展開が映画館の大スクリーンで繰り広げられていて思わずクスッと笑ってしまいました。
そして食べ物がどれも美味しそう!!
五島列島のちゃんぽん、漂流先で食べた鶏肉を蒸したものをサンチェやエゴマの葉にキムチや沖エビと一緒に包んだもの、そして依頼主の父親の思い出の味のスープ
本当に美味しそうな食べ物が大きいスクリーンいっぱいに映し出されいて匂いや温かさまでが座席に伝わってくる様でした!
・この映画の軸となる食べ物
この映画の主人公は「スープ」です。冒頭のフランスでゴローちゃんが舌鼓を打ったチーズたっぷりのオニオンスープ、ちゃんぽんのスープ、韓国の港町で食べたファンテヘジャンクク…様々な種類のスープが出てきます。
スープはまさに万能の食べ物だと私は考えていて、どんなに落ち込んでいたり元気がなくても美味しいスープがあればたちまち回復すると思います。
まさにゴローちゃんのセリフ「スープに国境はない。」そのものです!
そのスープが国境を超えた人を繋ぎ、変えていくのです。
特に一度はどんぶりを割ったラーメン店の大将を変えたのが印象的です。
コロナ禍で経済的に厳しくなり一度はラーメンへの情熱を絶やしてしまった大将が、ゴローちゃんから頼まれたスープの再現をきっかけにラーメン作りへの情熱を再燃させていく様子がとても感動しました。たかがスープ、されどスープ。一杯のスープが人を変えていくのです…
・グルメ系番組の功罪を描いた映画
この映画でラーメン店はとあるドラマの取材を受けます。それが「孤高のグルメ」です。放送後、たちまちそのラーメン店は長蛇の列が出来ました。
これって孤独のグルメが一番抱えている問題、「地域の知る人ぞ知る店がドラマきっかけで観光客が増える」ということです。
実際に私はこんなツイートを見かけました。
孤独のグルメによって地元の行きつけの店を行列店にされてしまい、地元の人間が気軽に入れなくなった経験があるため、孤独のグルメとは敵対しているが、それはそれとして観る
— 厥 (@ix_ytrs) January 1, 2025
この現象を松重さんもわかっていてだからこそ、ドラマ放映後の店の様子を映画にしたのだと思いました。
孤独のグルメだけではなく「オモうまい店」や「バナナマンのせっかくグルメ」、「アド街ック天国」など地方の隠れた名店を取り上げるバラエティーやドラマをきっかけに昔馴染みの地元客より観光客が増えてしまうという問題があります。
放映当時はお客さんが来ていたけど年数が経つにつれて放映前より減ってしまった…!なんて話も聞いたことがあります。
どうしてもメディアで取り上げられるとミーハーというか「どんな味なのか行ってみよう」というお客さんが増えてしまうのはしょうがないと思います。
一見さんのお客さんと昔馴染みのお客さんの共存は難しいです…
なので、映画を通して「ドラマで取り上げられた飲食店の裏側・放映後の様子」を鑑賞者に見せて「グルメ系番組の功罪」を考えるきっかけを与えるメタい表現は良いと思いました!
・とにかく美味しい匂いが漂う映画
ゴローちゃんはどんなにひどい目に遭っても”食べること”を諦めません。
食べることがゴローちゃんにとっての生きる意味であり、ひいては日本の経済の希望でもあります。
前に取り上げた大晦日SPの記事でも述べましたが、もう孤独のグルメは一ドラマではなく「日本人の脳みその胃袋に欠かせないドラマ」という心の栄養の一つになっています。
その積み上げてきた軌跡と功罪を2時間の映画に込めた作品でした。
シアターから出てくる時にはどこでもいいから飲食店に飛び込みたくなること間違いなしの一本!おすすめです!!!