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【超短編小説】まつり(300字)

まだこの世に祭が一つしかなかった頃の話。

三度の飯より祭が好きな男がいた。

祭の前日、男は興奮で眠れなかった。

明け方うとうとしてしまい、目が覚めた時には祭は終わっていた。

後の祭、男は途方に暮れた。

一年間楽しみにしていた祭が終わってしまったのだ。

男は発想を変えることにした。

祭は終わったのではなく、まだ始まってはいないのだと。

そこから男は毎日お祭り騒ぎだった。

だが、一年前参加できなかった祭の前日、男は過労のため息を引き取った。

それを見ていた神々は男が本物の祭に参加できなかったことを可哀想に思い、また今後このようなことが起こらないよう、祭を増やした。

こうして、この世には祭がどんどん増えていったのである。

【超短編戯曲】まつり(300字)

これは以前連載していた300字戯曲のリメイクです。

昨日は、色々なまつりがありました。

政治もまつりごと。

良いことも、悪いことも

後の祭りではなく、

風化させない事が重要です。



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小川 功治朗
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