「子どもが言うことを聞いてくれません」の対処法

よその子でも、子育てのテクニックは有効。

最近は、よく「よその子ども」と遊びますが、ゲームなどをしていて思い通りにいかず、感情的になった子どもでも、スグに落ち着かせることができます。そのカンタンな方法をまとめてみました。

子育ての基本は、子どもを理解することだと思っています。知っていることが、大切だということです。たとえば、子どもはドーパミン系の発達が未熟で、感情的になりやすく、欲求を我慢できないと知っていれば、いちいち怒ることもありません。

また、人間関係の基本として、「ペーシング」を知っていると、子どもが大声を出していても、こちらが毅然とした態度で「大きな声を出さなくてもわかるよ」「どうしたの?」「教えて」と、ゆっくり話せば、子どもは泣きやんで、自分の気持ちを教えてくれます。

ここでの「毅然とした態度」とは、背筋を伸ばして、表情は少し緩めた真顔で、声のトーンは低めです。あとは、ゆっくり話すだけ。

その他にも、伝え方はあります。

ゲームをやめさせたい場合。「ダブルバインド」という手法を用います。「このステージをクリアしたら終わりにする?」「次のステージまでやって終わりにする?」というように、選択肢を2つ用意して、自分で選ばせます。
そうすることで、もし駄々をこねても「さっき、次のステージでやめるって言ってたよね?」と聞けば、素直にゲームをやめてくれます。

何かを注意したい場合。「本人の課題」として伝えます。頭ごなし「これはやっちゃダメでしょ!」と怒る親が多いのですが、理由がわからないので、これだと同じことを何度も繰り返します。理由を言っても「子どもだからわからない」と子どもを舐めている大人が多すぎます。しっかり伝えましょう。子どもは理解できます。

そもそも最初から伝える努力をしなければ、理解するまでに途方もない時間がかかるか、理解しないまま大人になるでしょう。

なので、私の場合は「〇〇君が嫌がってるよ」「〇〇君がもう遊んでくれなくなったらどう思う?」とか「そんなことをしたらお母さんが悲しいって」「お母さんが悲しい気持ちになったらどう思う?」と伝えます。子どもも、本人にとって不利益になることはやりたがりません。それを自分の言葉で答えさせて、理解させるのです。

そうすれば、同じようなことで何度も注意することはなくなりますし、トラブルと真摯に向き合ってくれます。素直に聞く耳も持ってくれるでしょう。

そして、子どもは注意散漫なので、いま感情的になっていることとは別の話題を出すことで、落ち着いたりもします。それでも難しければ、突拍子もない質問をすると、子どもは頭を混乱させるので、少し落ち着きます。そこで、わかりやすい提案をしてあげると、意外にも喜んで受け入れてくれます。ここまでやってもダメなら、落ち着くまで、待ってあげればいいのです。

やりがちなのは、子どもの感情に引っ張られて、親まで感情になることです。これは最悪なので、やめてください。

基本的に「子どもが言うことを聞いてくれない」のは、親が子どもの言うことを聞いていないからです。自分の作業を中断してでも、子どもの話は聞いてあげるべきです。

もし、どうしても手が離せないなら、しっかりと理由も伝えて、あとで時間を取ることを約束してあげてください。その約束を守ることで、信用を得られます。その信用があるから、次に注意したときも聞いてくれるのです。

カンタンな心理学をいくつか知っているだけで、対応がわかって、子育ては圧倒的にラクになるでしょう。それなのに読書もせず、いつも大声で子どもを怒鳴っている親を見ると、「なんだかな〜」と思います。

そのうえで、子どもにはスマホやタブレットを与えて、ひたすらゲームをさせたり、動画を見させるのです。それによって、余計に脳の発達が遅れて、キレやすく、うつになりやすい子どもを育てているとはつゆ知らずに。恐ろしいです。

何事もそうですが、知っているだけで結果はまったく変わってきますので、ぜひ「子育て」か「心理学」の本を1冊だけでも読んでほしいなと思います。

オススメは、ビリギャルでお馴染みの坪田先生の『「人に迷惑をかけるな」と言ってはいけない』と、スウェーデンの精神科医アンデシュ・ハンセンの『スマホ脳』です。こちらの2冊は軽めなので、子育て中でも読めると思います。


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