#253 「みんな」という人はいない
こんにちは。ITベンチャーエンジニアのこへいです。
仕事をしているとチームで動くことがあります。チームの責務が明確で、裁量も責任もあり、メンバーのモチベーションが高い場合にチームはその力を最大限に発揮します。
その状態ではチームの「みんな」がコミットするため、互いに補完しあい、クオリティの高い仕事が出来ます。
でもコレって実は「みんな」が頑張っているけど、頑張る理由は人それぞれです。
楽しくてやっている人、野心があって成果を作りたい人、周りにつられて頑張っている人、色んな人がいます。
コアメンバーの振る舞いによってチーム全体の頑張り具合は変わります。
成果の出し方も人それぞれです。
メチャクチャ馬力がある人、仕事の割り振りが得意な人、ファシリテートが上手な人、細かい数字に強い人、色んな人がいます。
色んな特徴のある人が同じ目標に向かって協力し合うことで成果を大きくすることができます。
チームが機能している時は「みんな」に対してコミュニケーションをとっても「みんな(一人ひとり)」からレスポンスが返ってきます。
だから「みんな」という人が存在するように錯覚してしまいますが、チームが機能不全を起こしてくると「みんな」という人が存在しないことがわかります。
『あなたのチームは、機能してますか?』の著者、パトリック・レンシオーニ氏は、機能していないチームの要素として下記を挙げています。
信頼の欠如: チームメンバーが助けを求めることを恐れている場合。
対立の恐れ: チームメンバーが、気軽に発言できない場合。
コミットメントの欠如: チームメンバーが、仕事をなかなかやり通せない場合。
責任からの逃避: チームメンバーが、基準を設定しない、あるいは設定された基準を理解できない場合。
結果への不注意: チームメンバーが、パフォーマンスに集中していない場合。
コミットメントの欠如や責任からの逃避が現れてくると、「みんな」に意見を求めても特定の人しかレスポンスをしなくなり、それが当たり前になり、結果への不注意に繋がります。
チームの機能不全は「みんな」に対する働きかけでは全く改善しないという実感があります。
「みんな」がレスポンスしてくれるのは、個々人のコミットメントが当たり前になっているからです。レスポンスするのは個人ですから。
チームのみんな、リーダー陣、部長陣、経営陣など、レイヤーに対して何かを求めるのも同様に悪手です。テリトリーや好みの手法が人によって違うので、その人に合わせてコミュニケーションをとっていく必要があります。
チームが機能を取り戻すには一人ひとりに対峙し、腹落ちするようなコミュニケーションが必要です。
最近、チームが機能不全を起こしており、テコ入れをしていたのですが、なかなかうまくいかない状況が続いていましたが、つい「みんな」に対して最低限のレベルを求めてしまっていたからです。
いつもモチベーションの高いメンバーだけを集められるわけではなく、チームの責務と責任と裁量がキャパに対して適切であるとも限りません。
チームが機能不全を起こしている状況からリカバリーするには、「みんな」という人はいないと理解して、楽に逃げず、一人ひとりに向き合っていかなければなりません。
頑張ろうと思います。
独り言にお付き合いいただきありがとうございました。