#154 他責思考を抜け出しエンジニアリングしよう ~戦争責任者の問題からの学び~

こんにちは。ITベンチャーエンジニアのこへいです。

〇『戦争責任者の問題』からみる他責思考への警鐘

1945年8月14日、日本はポツダム宣言を受諾しました。戦争が終結したことを『敗戦』ではなく『終戦』と呼んでいることや、戦争の責任問題についての木下斉さんの放送で学ぶことができました。
(本日のみ無料で聞けます!)

紹介されていた伊丹万作の『戦争責任者の問題』も初めて読みました。

さて、多くの人が、今度の戦争でだまされていたという。みながみな口を揃えてだまされていたという。私の知つている範囲ではおれがだましたのだといつた人間はまだ一人もいない。ここらあたりから、もうぼつぼつわからなくなつてくる。

戦争責任者の問題 より筆者引用

と、誰もがだまされていたというが、だまされたという人達にも戦争の責任の一端があると書かれています。

「だまされるということ自体がすでに一つの悪である」として、だまされないような適切な判断力を持つこと、だまされるような脆弱な自分というものを解剖し、分析し、徹底的に自己を改造する努力を始めるべきであると。

他責思考でいては、結局自分に跳ね返ってくる。
他責思考抜け出さなければいけない。
ということです。

〇「○○なんだからそれぐらいやってほしい」は他責思考

さて、前置きが長くなりましたが、昨日は非同期コミュニケーションをうまく活用するためには訓練が必要であり、その訓練を積み重ねられるようなキャリアパスの構築が重要であるという話をしました。

私は、課題の可視化を進め課題が生まれる構造が理解できると、その構造を作っている原因に目を向け、これは〇〇の仕事だから「〇〇がちゃんと課題の解決に取り組んで欲しい」という気持ちが生まれてしまいます。

業務の中で訓練する仕組みやキャリアパスの整理が出来ていないことに対して、これは経営陣やマネージャー陣の仕事に該当するから、それぐらいはやってほしいと思ってしまうということです。

しかし、『戦争責任者の問題』を読み、これも他責思考だなと反省しました。

他責思考に囚われていないで、マネージャー陣がこの状況をどう捉えているのか、原因を理解しているのに改善に動けていないのであればその理由はなんなのか、どうすれば課題を解決できるかを考え、自分自身で動いていくことが重要ですね。

〇エンジニアリングという行為は、何かを「実現」すること

さて、この言葉はITエンジニアの私にとっては非常に納得感があります。
「エンジニアリング組織論への招待」で紹介されていますので、ご参考まで。

誰かに「やってくれー」と期待するのでなく、エンジニアリングという行為を推し進めることが他責思考を突破するということかと思います。

エンジニアリングというとつい、技術的なことだけで構成されているような錯覚をしてしまいますが、実現のために不確実性の高い状態から、不確実性の低い状態に効率よく移していく過程に行うすべてのことを指します。

不確実性の削減、つまり情報を生み出すためには『経験から仮説を立て、解くべき課題を設定する』ことが必要です。

例えば、マネージャーに「状況をどのように認識しているか」を聞きに行くという経験から、「課題は認識しているが打ち手を考える余裕がない」という情報得たとして、その情報を元に「打ち手を提案することで次のアクションに繋がる」という仮説を立てます。

そして、『マネージャーが動きやすい状況を整備することで訓練を行えるキャリアパスの構築を進める』というのを解くべき課題として設定する。
というイメージでしょうか。
(だいぶ雑ですが。。。)

この時に重要なのが、には、「行動できることは何か」と「行動の結果起きたことを観察できるか」という2点です。

また、今回のようにマネージャーに現状の改善点を訴えるような時には攻撃的になってはいけません。
「なんでこんな状況になっているのですか!!」と怒りを「こんな状況になっていて悲しい」と悲しみとして伝えることで、相手が防御態勢に入ることを抑制することができます。
感情面のコントロールも非常に重要なテクニックです。

エンジニアリングの手法を用いることで、他責思考にならずに自分事として捉えて「実現」を推し進めることが出来るのかと思います。


ということで、今日は『戦争責任者の問題』からの学びについての話でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。



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