#190 高知旅行で思った人的供給制約時代の観光のあり方 ~四万十川の魅力を伝えてくれる人たち~
こんにちは。ITベンチャーエンジニアのこへいです。
先週、夏休みをいただき高知県に5泊6日で旅行をしました。
その時の様子をnoteでも紹介していますので、こちらもお読みいただけると嬉しいです。
さて、高知で5泊も何するの?と思われる方も多いのではないでしょうか。
というのも、職場で多くの人に「高知に何しにいくの?」と突っ込まれたからです。
実際に高知でどのように過ごしたかは前述の記事に任せるとして、インバウントだ、オーバーツーリズムだと言われる昨今において高知旅行ではいずれも感じることはなく、世界からも日本からも観光の対象としての認識は弱いのが現状かと思います。
それでも、最後の清流と呼ばれる四万十川など高知の魅力を感じることができました。
なぜ、高知に人が集まらないのか、人的供給制約の影響を受けている宿泊施設の状況、高知の魅力を高める方々について考えたことを雑多にまとめてみました。
〇高知に沢山の人がこない理由
高知は遠くて広い。観光地も点在している
高知へのアクセスは羽田から高知龍馬空港までは1時間20分、空港から高知市内までもバスで30分程度と距離的には意外と近いです。
ですが、高知は広くて各観光名所の距離の離れています。
高知市内から四国カルスト、四国カルストから四万十市、四万十市から高知市内はいずれも100km以上離れており、高速道路も少ないためそれぞれ車で2~3時間かかってしまうため、東京から四国カルストまでは4~5時間程度と遠いです。
さらに南西に行くとなると、例えば四万十市から足摺岬、足摺岬から宿毛までもも1時間半以上かかります。
モネの庭やアンパンマンミュージアムも高知市内から1時間以上。
とにかく高知は広くて観光地が点在しており移動に時間がかかってしまいます。2泊3日程度の短期旅行では多くの時間を移動で消費してしまうため、遠方からの旅行客は少なく、四国や関西圏の方がほとんどでした。
高知は天候が不安定
高知は台風の通り道であり、四万十川でも毎年スコールのような激しい雨が降ります。また、天候が変わりやすく、晴れ予報でも突然激しい雨が降り出すことが何度もあり、天気予報が全然あてになりません。
旅行は現地の天気で満足度がかなり変わるため、旅行向きの気候ではないかと思います。
ただ、予報があてにならないおかげで四国カルストでキレイな星空や朝日が見えたので個人的には結果オーライだったのでした。
これらの理由で、ひろめ市場と休日のお昼時のかつお船以外で混雑を味わうことはなく、外国人もお遍路さんやしまなみ海道から自転車旅をされているであろう人以外はほぼ見かけませんでした。
〇高知のホテルのそれぞれの特徴と気づき
四国カルスト姫鶴平の姫鶴荘
四国カルストで宿泊できる数少ない宿泊施設です。簡易宿舎ということですが部屋もキレイで、素晴らしいロケーションのため大満足の宿でした。
ただ、人的供給制約のためか、食事や部屋の掃除以外は基本的にお一人で運営されているようでした。食事の提供時間や管理人の営業時間が短く設定するなど一人で回せるように設計されているかなと思います。
宿泊の予約もFAXのみで、予約のハードルが上がっていることが宿泊客のスクリーニングに繋がっているのかと思います。
(電話受付もあるのですが、受付時間に何度かけても出てくれませんでした。電話に出ている暇などないようでした。)
それでも翌月の満室状況はかなり埋まっています。
業務効率化のためにweb予約にすればよいわけではないなと感じました。
ホテル星羅四万十
国道沿いに大きな看板があるなど、昔ながらの良いホテルという感じです。
周囲に連なる山の稜線や満点の星空など最も四万十川らしいと言われる中流域の風景が魅力で、すぐ近くの天文台での星空観望会なども開催しています。
部屋や食事は悪くなく、誰も使っていないラウンジや無駄に豪華なロビーや外壁など良い時代だったのだなと感じます。
ただ、建物の作りの割りに従業員はアルバイトの学生や明らかに接客をやってこなかったであろう中年の方や片言に近い外国人の方が多く、担い手不足を痛烈に感じました。
ビジネス&リゾート ホテル ココモ
四万十市の中村駅近くのビジネスホテル。
可もなく不可もなくと思いきや、ドーミーインなどの人気のビジネスホテルを意識されているのかサウナ・水風呂があり、夜鳴きそばの代わりのカップラーメンやアイスのサービスがあります。
娯楽室も用意されており、非常に過ごしやすく落ち着く空間で、こういう細かな工夫を積み重ねることでまた来てもいいかもと思わせる魅力が作れるということが学べました。
また、こちらもほぼワンオペで回し、省力化されていました。
OMO7高知 by 星野リゾート
高知市内の交通の便が比較的良い場所に2024年6月にオープンしたばかりで、さすがにキレイでした。
従業員も若くて活気のある方が多く、星野リゾート仕込みの気の利いたサービスはやはり心地良かったです。
星野リゾートブランドでビジネス客も家族連れも取り込めるポテンシャルを感じました。こちらの記事でも紹介していますので合わせてどうぞ。
高知市内の人が集まるエリアで強者の戦略をとっている星野リゾートは置いておくとして、その他の施設は多くの人が訪れるエリアではなく人的供給制約の影響をもろに受けていました。
それでも、その場所ならではの魅力を打ち出し少ない人数で運営できる工夫をすることで、その場所を訪れる人を満足させてくれることが出来るのだなと、その場所に合った戦い方があるのだなと学びになりました。
〇四万十川の魅力を生み出す人々
最後の清流と呼ばれる四万十川周辺には、沈下橋や遊覧船など昔ながらの魅力に加えて、新しい魅力を作る人達の存在がありました。
「しまんと地栗」を使ったモンブランプロデュースする四万十ドラマさんや、北海道から移住されてきた方が運営されている「よりみち研究所」など、四万十川の魅力を新しい形で表現されている方の存在が、四万十川の魅力を作っています。
SAPなどの川遊びを企画されているNATURAL GROOVEさんのスタッフの多くは四万十川の魅力に惹かれて東京から移住されてきた方で、自然と過ごすことの大切さ尊さを伝えようとしてくれています。
ホテル星羅四万十の星空観望会の星憧アテンダントの方も星が大好きで星関連の仕事をするために四万十川に移住してこられていました。
四万十川の魅力に引き寄せられた方々が、その魅力を伝える側にまわることで、新たに引き寄せられる人が少しずつ増えていくことで、数ではなく質を求める観光に繋がるのかなと感じました。
ということで、ただの感想文になってしまいましたが、高知旅行で感じたオーバーツーリズムにならずに魅力を作り、伝える観光について考えてみました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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