#202 頼まれたらやらないといけないという呪い
こんにちは。ITベンチャーエンジニアのこへいです。
「○○をお願いします。」と依頼された時に、「わっかりましたー!」となんでも対応するのが良いのでしょうか。
依頼者が困っている、チームや会社としてやるべき、自分としてもぜひやりたいなど、自分自身がやるべきと納得していたり、組織の目指すべき方向に合致するのであれば対応すべきかと思います。
しかし、「頼まれたのだからやる」と短絡的に考えることは誰得?と思ってしまいます。
最近のもやもやの吐き出してみます。
〇お客さんがやってほしいと言っています
弊社は受託のシステム会社であり、顧客の依頼を受けて課題を解決するシステムを開発しています。
顧客は自社では実現できないシステム開発を弊社に依頼します。
費用を頂いて対応するため、当然顧客の要望を実現することが求められます。しかし、顧客は自分達では実現できないことを我々に求めるため、必ずしも現実的な期間や費用で実現できる要望ではないこともあります。システムの制約上、実現が困難な要望もあります。そもそも求める機能を実現しても課題を解決できないような筋の悪い依頼をしてくることもあります。
そのため、ビジネスとして成立させるためには、要望を深く理解し、その要望を満たしつつ、期間や費用、システム的な制約の中で顧客を満足させる方法を提案することが必要です。
その点を理解せずに、「顧客からこういう機能を作って欲しいと言っていますができますか?いくらでできますか?いつできますか?」と、顧客から依頼を受けたらそのまま実装する前提でエンジニアに見積もり依頼投げてくるの違和感があります。
まずは、その機能を必要とする課題をヒアリングし、その機能で課題を解決できるかの検討が必要であることを理解していないのです。
依頼を受けたら、エンジニアに丸投げするという作業をしていては、顧客に価値を提供できません。
顧客から依頼を受けたら断ったり、代案を提案するのでなく、言われたことをやらないといけないと思っているのでしょうか。
〇あれも頼まれているので出来ません
あるプロジェクトを若手に任せました。
やりたい人を募り、手を挙げてくれたので任せたのですが、進捗が芳しくありません。
その若手Aさんにとっては初めての主担当プロジェクトなので、当然うまくいかないこともあるので、定期的に相談の場を設けるなどフォロー体制は整えています。
進捗の共有の場では、「あれをやっていて進んでいません」と他の依頼の対応を優先してAさんにとって最重要なはずのプロジェクトを後回しにしていることに違和感を覚えました。
定常的に他の依頼がくる状況は理解しているので、プロジェクトを優先して他の人にパスするなり仕事をコントロールしましょうという話をAさんにも、Aさんの周りのメンバーにも伝え合意形成をしたはずなのに。
Aさんの進捗が悪いので、拾ってあげて欲しいとAさんの先輩にあたるチームメンバーにも相談したところ、「自分もやることが多いので難しいです。」と。
いや、それは本当に優先すべきことなの?と疑問が湧いてしまいます。
適切に断わったり、持っているタスクのスケジュールを調整したり、いくらでもやりようがあるはずです。
何を優先すべきかを判断したり、顧客の要望を紐解き価値を提供するために本当に必要なことに絞ってその他はやらなくて良いように調整したり、手を抜くことを知らないと、頼まれたことで謀殺されいい仕事ができないという発想が欲しいものです。
若手が最初から出来ることを求めているわけではありません。仕事の進め方の教育をする責任があります。
しかし、「あれも頼まれたので、最優先プロジェクトが出来ませんでした。」というのは無責任すぎます。それを見ながら自分も忙しいのでヘルプは出来ないと横目で見る先輩もどうなのだろう。
と、もやもやしている今日この頃です。
頼まれたことを対応することは、ある意味楽しいことであり、やりがいのあることです。
しかし、それでビジネスが成り立つのかという視点が欠けていると貧乏暇なしになるだけで、個人の成長も組織の成長ものぞめません。
自らビジネスをやっていくというフリーランスのような考え方が教養として必要なのだなと心底思いました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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