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#198 仕事を作る人が顧客へ価値を提供できる

こんにちは。ITベンチャーエンジニアのこへいです。

100人に1人のレアな人になるためのには、与えられた作業をこなすのではく自ら仕事を作ることが重要です。

私の職場の営業担当Aさんは、圧倒的な行動量を評価され、社内MVPを受賞したことがあります。Aさんは多くのプロジェクトに関わり、営業部長に食らいつき多くの顧客との商談に参加し、顧客連絡、資料作成、顧客への説明や議事録作成といった大量の作業をこなしていました。
最近、そんなAさんが顧客からクレームを受け、社内でエスカレーションが発生するという事件が起きました。

この事件から、顧客に価値を提供するには自ら仕事を作るというマインドセットが必要であるということを伝えます。


〇行動量だけでは価値提供はできない

前述の通りAさんは多くのプロジェクトに関わり、各プロジェクトで顧客対面に立つ役割を担ってくれていました。私のプロジェクトにも営業担当として加わってくれていました。

過去のAさんの活躍を振り返ってみると、Aさんは常にエンジニアやプロジェクトマネージャーと行動を共にしていました。Aさん以外のメンバーでの議論の内容をまとめ、顧客に伝えるという連絡係を担っていただいていました。そのためAさん自身が何か検討するのではなく、他の人が検討した結果を伝える作業を大量にこなすことで成果を積み上げていました。
そのハードワークぶりは本当に素晴らしいものだったので、誰もがAさんは本当によく頑張ってると認めていました。

しかし、Aさんが自分自身で顧客の課題に向き合う役割を任された時には、顧客のクレームに繋がってしまいました。

ある案件でAさんから顧客の要望を伝えられ、「この機能はシステム上対応できないため、別の方法を検討しましょう」と顧客の業務課題の深掘りを依頼したにもかかわらず、Aさんはただ「対応できない」と3ヶ月も後になって顧客に伝えたのです。顧客は「今更になって出来ないってどういうことだ!?前向きに検討してたんじゃないのか?」と不満を募らせました。

Aさんは圧倒的な行動量で「結果を伝える」という役割には優れていました。しかし、この件では顧客の課題に向き合って解決策を探ることが求められていました。
役割が変わった時に、行動量だけでは価値提供が出来なくなってしまったのです。

〇作業ではなく「仕事」を生み出す力

今思うと、Aさんは議論の結論が出ると「このように伝えればよいですか?」と顧客への伝え方を確認いただいた際には「いや、〇〇ですよ」や「いや、△△のように伝えないと伝わらないですよ」と指摘されることが多く、文脈の理解も怪しかったです。

Aさんが設定する会議は関係者を一通り集め(この人まで集めるの?という突っ込みどころ満載)顧客から聞いた情報を全て共有し検討を丸投げするスタイルだったり、会議の設定を依頼した人が想定したアジェンダとは異なる的外れなアジェンダが設定されているというのも頻発していました。

クレームの件でも、「エンジニアが出来ないと言うから困っている」というエスカレーションを上げており、何かがおかしいという状況でした。

Aさんが行っていたのは、エンジニアやプロジェクトマネージャーから得た情報をそのまま伝える「作業」に過ぎません。しかし、顧客のニーズに応えるためには、顧客の抱える課題を理解し、対応策を考え提案し、最適な解決策を提供することが重要です。

Aさんは作業量の多さやタフさで結果を出していましたが、「自分で考え、行動する」能力が欠けていたため、課題解決の役割では成果を出すことが難しかったのです。

〇自分で仕事を作る力が必要な理由

環境や状況が変われば、要求されるスキルも変わります。大量の作業をこなすことが求められる状況ではAさんの行動量は大きな武器でした。
しっかりと仕事が整備された組織であったり、あとはやるだけの状況まで進んだプロジェクトであれば、定型作業のような大量のタスクをさばける行動量だけでも戦えるかもしれません。

しかし、顧客の課題解決やより高度な仕事が求められる状況では、行動量だけでは不十分です。「自分で仕事を作る」という考え方を持ち、目的を理解し、それに基づいて行動することが、真の顧客価値を提供するための鍵となります。

どんな状況でも価値を提供するには、顧客の課題を深く理解して、解決可能なレベルまで分割し、分割したそれぞれの課題に対して適切な解決方法を探っていくような試行錯誤が必要なのです。


ということで今回は、圧倒的な行動量で評価された人が顧客からクレームを受けてしまった事象から、作業ではなく仕事を作り出すこの重要性を再認識したという話でした。

最後までお読みいただきありがとうございました。



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