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挑戦しない人ほど、自分を過大評価する理由とは?

「挑戦すること」と「自己評価」についての話です。

SNSやYouTubeのコメント欄で、辛辣な批判を目にすることがあります。
不思議なことに、そういったコメントを残す人に限って、自分では何も行動を起こしていないことが多いように感じます。

むしろ挑戦していないからこそ辛辣な批判が出来るともいえると思っています。
簡単に言うと、「自分で何もしたことがない人は、失敗したことがないため、自己評価が高くなる」傾向にあるのです。

人は、新しいことに挑戦すると、大抵の場合、失敗を経験します。
当たり前ですよね。「新しいことに挑戦」してるんですから。

そして、失敗することによって、どういった程度にしろ自省するでしょう。へこむこともあると思います。
しかし、挑戦しなければ失敗の経験はありません。失敗がなければ、「自分はダメな人間だ」と感じることも少ないでしょう。
そのため、挑戦しない人は、自分の能力を実際よりも高く評価してしまう傾向があるのです。

身近な例で考えてみましょう。
例えば、料理を全くしたことがない人が、プロの料理人が作った料理を見て「この程度の料理なら、自分にも簡単に作れるはずだ」と思ってしまうようなものです。
しかし、実際に料理をしてみると、食材の切り方一つとっても、火加減の調整、味付けなど、思った以上に難しいことに気づくと思います。

何度も失敗を重ねて、初めて美味しい料理が作れるようになるのです。

りんごをくるくる剥くのだって実際にやってみたら意外と難しいことがわかると思います。しかし自分でやったことが無い人は映像で「簡単そうにりんごを剥く人」しか見ていないため、「簡単なんだ」と思ってしまうのだと思います。

料理をしたことがない人は、この「失敗の経験」がないため、自分の料理の腕前を過大評価してしまうのです。

これは、他のことにも当てはまります。

また、「ダニング=クルーガー効果」という言葉もあります。

これは、能力の低い人ほど、自分の能力を過大評価し、能力の高い人ほど自分の能力を過小評価する傾向があることを示した心理学の用語です。
その結果、能力の低い人は、自分の能力を実際よりも高く評価し、能力の高い人は、自分の能力を実際よりも低く評価する傾向があることが明らかになりました。

例えば、ユーモアのテストで下位25%の成績だった人は、自分のユーモアのセンスを上位40%以内だと考えていました。
一方で、上位25%の成績だった人は、自分のユーモアのセンスを上位30%以内だと考えていました。

つまり、能力の低い人は、自分の能力を実際よりも過大評価し、能力の高い人は、自分の能力を実際よりも過小評価していたのです。

この現象は、能力の低い人が自分の能力不足を認識できない「メタ認知」の欠如によって引き起こされると考えられています。

閑話休題。

先述の通り、挑戦しない人は自己評価が高い傾向にあります。

そのため、他人が挑戦して失敗している姿を見ると、「自分ならもっとうまくできるはずなのに」と思ってしまうのです。

そして、「自分ならもっとうまくできる」という思い込みが、批判的なコメントという形で表れてしまうのです。

しかし、それは大きな間違いです。

あなたが失敗していないのは、能力が高いからではなく、単に挑戦していないから失敗していないだけなのです。
もしあなたが、今批判している人と同じ立場に立たされたら、同じように失敗する可能性は十分にあります。

挑戦することは、とても勇気のいることです。

失敗するかもしれないという不安、周囲からの批判、時間や労力の投資など、乗り越えなければならない壁はたくさんあります。

だからこそ、挑戦する人は尊敬されるべき、尊敬したいなあと思っています(情弱ビジネスや詐欺、犯罪を除き)。

また、他人に対して批判するのではなく、その厳しさを、他人ではなく、自分自身に向けてみてください。

「自分は本当に挑戦しているのだろうか?」「失敗を恐れて、挑戦を避けていないだろうか?」「自分は成長しようとしているのだろうか?」

もしあなたの生活がYouTubeで配信されていたら、あなたはなんてコメントするでしょうか。テレビばっかり見て、酒ばかり飲んで、自堕落で……そんなコメントをもし書くかもしれないと思ったのであれば、何か自分でも挑戦した方が幸せなのかなと思っています。

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