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AIによるパーソナライズは受け入れられるのか

AI技術の発展により、私たちの生活はより個人の好みにフォーカスする方向へ進んでいます。今後、より個人にフォーカスしたシステムができてくると思います。
スマホの中にAIが入ってくると、「どういたものを見るか」「どういったものを長時間表示し続けているか」「趣味は?」……きりがないくらい私たちの個人の情報を蓄積していくことができるでしょう。

結果として、より個人にフォーカスした情報を提示してくれることでしょう。

また、そういった好みを反映した「あなた専用のイラスト」「あなたが好きだと感じる音楽」「あなたが気に入る映画」をリアルタイムで生成することもできるかもしれません。

個人的に気になるのは、この変化が「いいこと」として世間に受け入れられるのか、という点です。

現代は情報源が豊富な時代です。しかし、それにもかかわらず、テレビは続き、ネットでも似たようなコンテンツがバズり、結局同じ情報をみんなで追いかけています。
これは一見、矛盾しているように感じられます。私たちには多様な選択肢があるはずなのに、多くの人が共通の話題を求めているからです。

結局プラットフォームが増え、古今東西ありとあらゆるエンタメを見ることができるのに、同じ「話題」の作品を見ています。

全てのコンテンツがそうとは言いませんが、「作品の質」「自分が気に入るか」という点よりも「共通の話題」を求めているのではないかと思います。

嫌いな作品は見ないでしょう。
ただ「自分は大好きだけど、世間的には知られていない作品」「まぁ嫌いではないし、好きでもない作品。そして何より世間が話題にしている作品」のどちらを好むのかというと後者の方を観に行く人が圧倒的に多いのだと思います。

そのため、人気店には人が集まるのだと思います。

たとえば、「AIが提示するあなたオリジナルの名前のついていない料理」や「AIが作る誰とも共有できないあなた専用の面白い映画」といったものが登場した場合、それを受け入れるのかという疑問があります。
映画そのものの面白さもありますが、「誰かと価値観を共有したい」という体験のほうが価値がある場合、この方向性には伸びていかないのではないかと思っています。

いくらAIが発達して、コンテンツが無限に生成できるようになっても、結局たいしてチャンネル数が多くないテレビを見ているとしたら少し面白いなぁと思います。

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