
節約が、大好きだったはずだけど。
節約が、大好きなはずだった。
30歳を機に一人暮らし。手取りは14万円。
親からは『そんな手取りで一人暮らしなんてできるわけないでしょ!』と言われていた。
でもどうしても。一人暮らしという、何もかもが自分で決めれる自由な世界に飛び込みたくて。
『30歳過ぎても結婚できてなかったらするから!!』
と宣言し。まぁ、普通にできなかったので、一人暮らしを開始した。
めちゃくちゃ楽しかった。
一人暮らし生活を始める前に、YoutubeでVlog動画をいくつも見て回った。
家計の脳内シュミレーションのため『給料日ルーティン動画』も、いくつもいくつも見た。
『一人暮らし始めたら、私もこうやって家計管理して、絶対に自立した生活を送るんだ!!』
そんな思いでいっぱいだった。
一人暮らしを開始して2、3ヶ月。
だんだんと生活に慣れてきたタイミングで、憧れだったVlog動画の制作を始めた。
中でも再生回数が伸びたのは『給料日ルーティン動画』。
たくさんの人に見てもらえるもの嬉しいし、何よりちゃんと。自分一人でやりくりして生活ができている。
その事実に、自己肯定感が爆あがりだった。
・・・だったんだけど。
無職に、なった。
色々と、人間関係というか。人と長時間一緒にいて気を使いすぎる自分に耐えかねて、仕事を辞めた。
『Youtubeで少し収益も出るようになったし、これからフリーランス目指して頑張ってみよう!』
辞めた直後は、そんな気持ちだった。
でも。
いざ無職になって、家計管理系の動画を作ろうとしても
全く、楽しくない。
節約が楽しかったのも、その間の動画作成が楽しかったのも、本当。
でも、お給料が入らないということは、貯金から切り崩していく生活が始まるということ。
そんな状態で生活費を公開するような動画制作は、楽しさが一つも味わえなかった。
私はどうやら、節約そのものというより『入ってきたお金に対して、このくらいで生活できて、プラスにできた!』という・・・ゲームのような日々が好きだったのだ。
そして、プラスにできたことでの自己肯定感の上がり方も半端なかったから。
麻薬のように節約に魅せられていたのかもしれない。
いざ安定したお給料が入らなくなって、残った感情は
私って、お金使うの下手だったんだ。
ということだった。
せっかく無職で時間だけはあるのに、お金が気持ちよく使えない。
減るのが怖くて、いつも普通に買っていたようなものにさえ、なんか罪悪感が湧く。
『私は、節約が好き。』
今までそうだと思っていたのに、そうじゃなかった。
とんだ勘違い。
なんだか自己肯定感が下がるような思いだった。
節約ゲームによって上がる『自己肯定感』が心地よかっただけであり、節約が好きなわけではない。
そんな事実に気づき・・・最近、思っていること。
もっと、お金を気持ちよく使えるようになりたい。
もっと、お金とちゃんと向き合いたい。
そんなことだ。
節約ばかりの人生で終わりたくない。
もっと、自分の人生を豊かにすることを重要視してみたい。
そのために、お金の使い方を学びたい。
ずっと節約系のYouTuberのような感じでやってきていたのに。
ここにきてこんな感情を抱くなんて、これまで見てくれていた人への裏切りなんじゃないかっていう葛藤があった。
でも。私は完璧じゃない。生きている、人間。
生きていれば環境が変わって、思考も変わる。
前言っていたことと、違うことを言ってもいいんだ。
そうやって完璧じゃない自分を認めたら。
なんかこういうこと言ってもいいのかなって思えてきた。
だからこれからは節約を中心にした発信ではなく。
幸せにお金を使うためのメンタルになる方法について学んで、発信していきたい。
きっと、『今までと言ってること違う!』と離れていく人もいるだろう。
でもきっと、『なんかそれ、私も知りたい!』と新しく来てくれる人もいるだろう。
そんな新しいワクワクした出会いを、今は大事にしたい。
たくさん学んで、たくさん考えて。
自分なりの、ありのままの気持ちを添えた発信を。
していきたいなって思います。
* * * * * * * * * * *
☆☆ 出版中のKindle書籍 ☆☆ 〜Kindle unlimited 読み放題対象〜
▲新刊:自己否定しがちな自分と向き合った『気づき』を集めたエッセイ集
▲既刊:無職したり働いたり。そしてまた無職になった1年間の記録エッセイ