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音楽を語る語彙

意地が悪いのはわかってます😅

わかってても言いたくなるのが私の悪い癖😓

私はN響定期FM会員なのだが(もちろん会費は¥0)、近年注目している、いや注目せざるをえない解説者が2人いる。

一人はロシア音楽のときに出てくるH柳“ハイテンション”富美子。

もう一人がベートーヴェン研究者のK澤さん。

私はK澤さんのあまりにも素朴な感想がやや苦手😅

この方の話を聞いてると、普段クラシック聴いてないのかなと思ってしまう。

研究対象ではあるけど、いわゆるオタクやファンではないのかなと。

クラシックを語る言葉があまりにも易しすぎるというのか「進次郎風」だ。

ほんとかよ!性悪なお前の色眼鏡だろ?と思った方もいるかもしれないので、ルイージ指揮のブルックナー8番に関する発言を引用します。太字は私が違和感を覚えた箇所です。

はい、もうほんとに壮大な響きがとても印象深かったです。
細部にもこだわりながら大きな音楽の流れがあるというまあそんな演奏がとても素敵でしたね。
よくコントロールされた弦楽器、特に私は低弦のとてもこう豊かな響きというのがすごく印象的でしたけれども、あとそれから金管楽器も大活躍でしたね。

ルイージさんはこの作品の第3楽章を音楽史上最も偉大だと仰っていましたけれども、
厳かな?宗教的な雰囲気というのがとても素晴らしかったです。

それから、フィナーレの盛り上がり、
ねぇ、まあ、ここで木管楽器が3本になるわけですけれども、
さらに重厚になった響きで、
それまでの楽章の主題が重ねられていくという
非常に輝かしいクライマックスでした。

終演後の会場の熱気も凄かったですね。
皆さん大満足した様子が伝わってきました。

(引用終わり)

なんかプロの感想とは思えないんだよなぁ😅

巷のクラオタの方がもっと音楽を語る語彙が豊富だと思う。
ブル8の第3楽章聴いて「宗教的な雰囲気が素晴らしかった」って、初めてブルックナー聴く人ならいいんですよ?
音楽学者だよね? しかもこの内容ですらカンペ読み上げてるっぽさあったし……。

「壮大な響きがとても印象深かった」「金管楽器も大活躍」「非常に輝かしいクライマックス」って表現もなぁ😞

金子奈緒さんの感想の方がよっぽどボキャブラリーに富んでる。

何でしょっちゅうゲストに呼ばれるのかわからない(ちなみに今日の放送も)。

まあ野平一郎さんや故・西村朗さんの解説と比べるのは酷だとしても、あまりにも素人じみた感想を名演の直後に聞かされるのは白ける。余韻が台無しだ。

大相撲中継の舞の海みたいにやたら偉そうな解説者も困りものだし、こういった番組のプロデューサーは解説者の人選をよく考えてほしい。他にもっとちゃんと喋れる人いるんじゃないの?
K澤さんも、楽曲解説はともかく演奏の感想は荷が重いと内心感じてるのでは?

音楽に限らず芸術の感想って、それまで鑑賞してきた数の厚みが物を言う世界。K澤さんの研究者としての実績は知らないが、音楽を語る語彙がどうも薄っぺらく感じてしまう。
学者だから読書量が足りてないってことはないと思うので、言語化能力の問題ではなく、単純に音楽を語る語彙が少ないのだと思う。

批判的な文章はときに読んでいて気分がよくないが(ユジャ・ワンに関する記事なんか随分見当はずれだと思った)、私が言いたいのは名演の余韻を白けさせるプロ学者より熱弁系クラオタ(N響定期会員歴50年の人とか)に感想言わせた方がよっぽど面白く聞けるということです。

音楽番組の解説者は美術館の学芸員ではありません。作曲の背景をいくら上手に解説できたところで、肝心の演奏会の感想がお粗末では果たして適任といえるでしょうか。

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